こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。

親が施設に入った、あるいは亡くなった。まだ元気だけれど、そろそろ考えておきたい。そんなときに耳にするのが「実家じまい」という言葉です。けれども、何から手をつけることなのか、はっきりしないまま気になっている方も多いのではないでしょうか。

先にお伝えします。実家じまいとは、「家の中(家財)の片付け」と「家と土地の行き先を決めること」の2つです。

この2つに分けると、誰に相談するか、どの順番で進めるかが見えてきます。この記事では、次のことを順にご紹介します。

  • 実家じまいの全体(2つの片付けを1枚にした図)
  • 考え始めるきっかけ
  • 進める順番(話す → 片付け → 家と土地の行き先 → 手続き)
  • お金の4つの箱と、くわしい記事への道しるべ
  • 気をつけたいこと

この記事は、実家じまいの「地図」です。くわしい話はそれぞれの記事へご案内しますので、気になるところから読み進めてみてください。

🏠 実家じまいとは、「家の中」と「家と土地」の2つを片づけること

実家じまいは、①家の中の家財を片づけることと、②家と土地をこの先どうするかを決めることの2つでできています。解体するなら、家の中の片付けが先です。

実家じまいの全体図。①家の中(家財)を片づける:残す物・分ける物を家族で決める、まだ使える物の買取りは古物商の許可がある業者に、不用品の回収を第三者に頼むなら市町村の許可業者に(福岡市では一般廃棄物収集運搬業許可業者)。②家と土地の行き先を決める:建物を残したまま売る(古家付き土地)、解体して更地で売る、持ち続ける(1月1日に登記などで持ち主として載っている方に毎年固定資産税、管理も続く)のどれかを選ぶ。解体するなら片付けが先。届出が要る規模の解体工事について、解体する建物に残る家具・家電は、工事を頼む方が先に片づけておくもの、という考え方が国の資料にある
実家じまいを「家の中」と「家と土地」の2つに分けた図(環境省・福岡市・国土交通省の資料、地方税法をもとに当社作成)

2つに分けるのは、相談する先も、決める中身も違うためです。家の中の片付けは家族や回収・買取りの業者と、家と土地の行き先は家族と不動産会社・解体業者と話すことになります。相談先の選び方は、下のよくあるご質問にもまとめました。

決めること主な相談先
① 家の中残す物・分ける物/買取りに出す物/回収を頼む物家族、古物商の許可がある買取りの業者、市町村の許可業者
② 家と土地建物を残して売るか、解体して売るか、持ち続けるか家族、不動産会社、解体業者
環境省「無許可の回収業者を利用しないでください」Q&A、福岡市の案内をもとに当社作成

解体するときに片付けが先なのは、国土交通省の建設リサイクル法の質疑応答集(案)で、届出が要る規模の解体工事について、解体する建物に残っている家具や家電は、工事を頼む方(発注者)が前もって片づけておくもの、という考え方が示されているためです。建物を残して売る場合も、家財をどこまで片づけるかで進め方が変わります。

また、家と土地を持ち続けるなら、毎年、1月1日に登記などで持ち主として載っている方に固定資産税がかかります(地方税法第343条)。「とりあえずそのまま」も、選んだ道の一つになるわけです。

まずはこの2つの箱を家族で共有するところから始めましょう。家と土地の行き先の考え方は残すか更地にするかの記事、持ち続けるときの税は空き家にかかる税金の記事でご紹介しています。

出典:環境省 Q&A、福岡市「無許可の回収業者を利用しないでください」、国土交通省『建設リサイクル法 質疑応答集(案)』Q39、地方税法 第343条

📅 考え始めるきっかけは、施設・相続・親が元気なうち

実家じまいを考え始めるきっかけには、親が施設に入ったとき、親が亡くなって相続したとき、そして親が元気なうちに話し合っておくとき、の3つがあります。

きっかけによって、急ぐことと、気をつけることが変わるためです。考え始める方は少なくありません。全宅連の『2026 住宅居住白書』では、自分や家族(両親など)の家が「既に空き家」か「将来空き家になる可能性がある」と答えた人は、合わせて37.2%でした。九州では「将来空き家になる可能性がある」が29.6%と、全国(25.3%)より高くなっています。

きっかけここに気をつけるくわしくは
親が施設に入った老人ホーム等に入っていた場合も、一定の要件を満たせば、亡くなったあとに売るときの空き家特例(相続した家を売ったときの税の特例。くわしくは下の「お金」の見出し)の対象になり得ます。入所中に家を貸したり、ほかの人が住んだりすると外れます親が施設に入ったときの記事
親が亡くなって相続した相続人が数人いるときは、家と土地はまず相続人みんなの共有になります。行き先は、家族で話すところから始めます兄弟の意見が割れたときの記事
親が元気なうち親の思いや、家財の行き先を、親自身から聞いておけます親が元気なうちの記事
国税庁 No.3307、民法 第898条をもとに当社作成

一方で同じ白書(誌面 p.21)では、空き家になる・なっている家を抱える人のうち35.0%が「話し合いの必要を感じつつもまだ行っていない」と答えています。

きっかけが来る前でも、来たあとでも、最初の一歩は「家族で話す」ことです。一人っ子の方は一人っ子の実家じまいの記事もどうぞ。

出典:全宅連『2026 住宅居住白書』誌面 p.20〜21(2026年9月23日公表)、国税庁 No.3307、民法 第898条

🧭 進める順番は「話す → 片付け → 家と土地の行き先 → 手続き」

実家じまいは、家族で話す、家の中を片づける、家と土地の行き先を決める、手続きをする、の順に進めると迷いにくくなります。

前の段が決まらないと、次の段の答えが出ないからです。たとえば、誰が何を受け継ぐかを話す前に家財を手放すと、あとで「残しておきたかった」が起こりやすくなります。

実家じまいの4つの段

家族で話す

誰が中心になって進めるか、家と土地を残したいか手放したいか、費用をどう分けるかを話します。

家の中を片づける

残す物・分ける物を決め、買取りや回収を頼む物を分けます。実家じまいの片付けの記事に、誰が何をするかをまとめました。

家と土地の行き先を決める

建物を残して売るか、解体して売るか、持ち続けるかを比べます。売るなら不動産会社、解体するなら解体業者に見通しを聞きます。

手続きをする

名義の手続き(相続登記の義務化の記事)、売ったあとの確定申告などです。

くわしい順番と期限は、実家じまいの手順の記事で7つの段に分けています。

まずは家族で、いまどの段にいるかを確かめるところから始めましょう。

💴 お金は4つの箱:片付け・解体・売る費用・税金

実家じまいのお金は、「片付け」「解体」「売るための費用」「税金」の4つの箱に分けて考えると、抜け漏れが防げます。

額は家の大きさや家財の量、売り方で大きく変わるため、この記事では額を書かず、箱ごとに確かめるところをご案内します。

箱確かめることくわしくは
片付け回収を頼むなら許可のある業者か。まだ使える物は買取りに出せるか実家じまいの費用の記事
解体解体して売るか。補助の有無・要件・金額は市町村ごとに違う実家じまいの補助金の記事
売るための費用仲介か買取りか。手元に残るお金で比べる買取と手取りの記事
税金売って利益が出たら確定申告。相続した家なら空き家特例が使えるか空き家特例の記事
福岡県の住宅の補助の案内、国税庁 No.3306 をもとに当社作成

たとえば相続した家を売るとき、要件を満たせば、利益から最高3,000万円(家と土地を相続した人が3人以上のときは2,000万円)まで差し引ける「空き家特例」があります。主な要件は、昭和56年5月31日以前に建てられた家であること、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、確定申告をすることなどです。

費用を誰が払うかで迷ったら解体費用は誰が払うかの記事、手元のお金が足りないときはお金がないときの記事が参考になります。

まずは4つの箱を家族で書き出し、どの箱から確かめるかを決めておきましょう。

残すか解体するかで迷われたら、両方の見通しを並べて比べるのが近道です。解体の見積りと売却の査定を、同時にお出しできます。売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。

出典:福岡県の住宅の補助(建替え等に伴う除却費)の案内、国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

⚠️ 実家じまいで気をつけたいこと

実家じまいで特に気をつけたいのは、「無許可の回収業者」「特例の期限」「施設に入っている間の使い方」の3つです。

どれも、あとから取り戻しにくいためです。

気をつけたい3つ

回収を頼む業者の許可:福岡市は、「定額料金」「即日対応」「格安」「無料」などとうたう不用品回収業者による高額請求のトラブルがあるとして、第三者に頼むなら「一般廃棄物収集運搬業許可業者」に、と呼びかけています。産業廃棄物の許可や古物商の許可だけでは、家庭のごみ(廃棄物)は回収できません
空き家特例の期限:相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。片付けに時間をかけすぎないよう、期限から逆に数えておきます
施設に入っている間の使い方:親が施設に入っている間に家を貸したり、ほかの人が住んだりすると、空き家特例の対象から外れます

福岡市以外にお住まいの方は、回収の許可業者をお住まいの市区町村にお尋ねください。

このほかに避けたいことは、実家じまいでやってはいけないことの記事で5つにまとめています。

出典:福岡市「無許可の回収業者を利用しないでください」(更新日 2026年3月13日)、環境省 Q&A、国税庁 No.3306、No.3307

❓ よくあるご質問

Q. 実家じまいは、自分たちだけでもできますか

家族で進められるところは多くあります。家財を分けたり、市町村の粗大ごみの受付を使ったりするのは、ご自身でもできます。ただ、回収を第三者に頼むときは許可が要り、売るときや解体するときは、それぞれ専門の会社に頼むことになります。どこに何を頼むかは業者の種類と許可の記事が手がかりになります。

Q. どこに相談すればよいですか

中身によって窓口が違います。税は税務署・税理士、名義の手続きは司法書士・法務局、家と土地の売却は不動産会社、解体は解体業者です。家と土地の行き先から考えたいときは、売却と解体の両方が分かる窓口に聞くと、比べやすくなります。

📝 この記事のまとめ

  • 実家じまいとは、家の中(家財)の片付けと、家と土地の行き先を決めることの2つです。解体するなら片付けが先です
  • 考え始めるきっかけは、親が施設に入ったとき・相続したとき・親が元気なうち。最初の一歩は家族で話すことです
  • 順番は、話す → 片付け → 家と土地の行き先 → 手続き
  • お金は、片付け・解体・売るための費用・税金の4つの箱で考えます
  • 回収業者の許可、空き家特例の期限、施設に入っている間の使い方に気をつけましょう

実家じまいは、全体が見えれば、一つずつ順番に進められます。家族の思い出が詰まった家だからこそ、残すか、解体するか、次のオーナー様へ引き継ぐかを、落ち着いて決めたいものです。家と土地の行き先については、お気軽にご相談ください。

本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、全宅連『2026 住宅居住白書』、民法・地方税法、国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)、環境省・国土交通省の資料、福岡県・福岡市の案内に基づく一般的な説明です。特例が使えるか、税額がいくらになるかは、税務署・税理士にご確認ください。最終更新日:2026-10-28。

売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。

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