こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。

実家を売ったあと、「確定申告は要るのだろうか」「何をいつまでにそろえればよいのか」と迷われる方は少なくありません。ふだん確定申告をしない方にとっては、なじみの薄い手続きだと思います。この記事では、国税庁の資料をもとに、申告の時期と書類を順番に整理します。

結論から申し上げます。

  • 土地や建物を売って譲渡所得(売って得た利益)がある方の申告は、売った年の翌年の2月16日から3月15日の間に行います(年によって終わりの日がずれます)
  • 基本の書類は、確定申告書・申告書第三表(分離課税用)・譲渡所得の内訳書の3つです
  • 空き家特例(相続した空き家を売ったときの最高3,000万円の控除)などを使う場合は、書類を添えて確定申告をすることが必要です。税金が0円になる計算でも同じです
  • 空き家特例で要る「被相続人居住用家屋等確認書」は、売った家の所在地の市区町村が出します。福岡市では、受理から交付まで通常1週間から10日程度で、書類に不足があれば延びます
  • 期限を過ぎても、気づいたらできるだけ早く申告します(期限後申告)。加算税や延滞税がかかる場合があります

税額の計算や、ご自身が申告や特例の対象になるかの判断は、税理士か所轄の税務署にお任せください。ここでは、相談の前に知っておくと話が早いことを、国税庁の言葉で確かめます。

🧮 まず、お手元の情報で確かめられること

申告の準備は、次の3つを確かめるところから始まります。どれも、売買の書類を見れば分かることです。

確かめること分かること
① 売った日(引き渡した日)は何年かどの年の分として、いつ申告するかが決まります
② 空き家特例などの特例を使うつもりか使う場合は、基本の書類に加えて特例の書類が要ります
③ 売った家の所在地の市区町村空き家特例の確認書を申請する窓口が決まります
出典:国税庁 No.3102・No.3306

なお、売って利益が出なかった場合に申告が要るかどうかは、今回確かめた国税庁のページには書かれていませんでした。迷う場合は、所轄の税務署で確かめてください。

🗓️ 申告の時期

国税庁は「譲渡所得の申告は、資産を譲渡した日の属する年の翌年の2月16日から3月15日の間に行ってください」としています(国税庁 No.3102)。

ここでいう売った日(譲渡した日)は、原則として、売買契約に基づいて買主に引き渡した日です。ただし、契約の効力が生じた日(一般的には契約を結んだ日)に売ったものとして申告することもできます(No.3102)。

終わりの日は、年によってずれます。たとえば令和7年分(2025年に売った分)は、申告の受付が令和8年2月16日(月)から3月16日(月)までで、納める期限も3月16日でした(『令和7年分 譲渡所得の申告のしかた』表紙)。2026年に売った分の正確な日付は、国税庁が出す令和8年分の手引で確かめてください。

また、売った方ご本人が申告の前に亡くなった場合は、相続人が、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、亡くなった方の分の申告をしなければなりません(No.3102)。

📄 基本の書類

国税庁は、土地や建物を売って譲渡所得がある方は、次の書類をあわせて作り、ほかの所得と一緒に確定申告するよう示しています(No.3102)。

  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
  • 申告書第三表(分離課税用。土地や建物を売った所得は、給与などとは分けて計算するため)
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】(売った代金・取得費・譲渡費用などを書く明細)

提出するときは、本人確認書類の提示か写しの添付と、マイナンバー(12桁)の記載が必要です(『令和7年分 譲渡所得の申告のしかた』p.20)。e-Taxで送る場合は、別に郵送などで出す必要がある添付書類(証明書など)を、PDFの画像データで出すこともできます(同 p.3)。

取得費や譲渡費用の数字の基になる書類(親御さんが買ったときの契約書、仲介手数料や解体費用の領収書など)の集め方は、空き家売却の税金|相続した実家の計算の順番にまとめています。

📎 特例を使うときに足す書類

空き家特例(被相続人の居住用財産を売ったときの特例)について、国税庁は「この特例の適用を受けるためには、一定の書類を添えて確定申告をすることが必要です」としています(国税庁 No.3306)。特例を使って税金が0円になる計算でも、申告をしないと特例は受けられません。

国税庁の手引には、空き家特例で添える書類として次のものが挙がっています(『令和7年分 譲渡所得の申告のしかた』p.32 の表)。

書類ひとこと
① 譲渡所得の内訳書【土地・建物用】特例を使う場合は「5面」(この特例の計算を書く面)も添えます
② 家と敷地の登記事項証明書など不動産番号を明細書に書くことなどで、添付を省ける場合があります
③ 被相続人居住用家屋等確認書売った家の所在地の市区町村長から交付を受けます
④ 売買契約書の写しなど売った代金が1億円以下であることが分かるもの
⑤ 家を残して売った場合は、耐震基準適合証明書か建設住宅性能評価書の写し(売る日前2年以内に調査・評価されたもの)売ったあとに解体した場合などは、一定の期間内に取壊し等がされたことが分かる登記事項証明書など
出典:国税庁『令和7年分 譲渡所得の申告のしかた』p.32・No.3306。書類の細かな条件は国税庁のページでご確認ください

どの書類が要るかは、解体してから売ったか、家を残して売ったか、売ったあとに解体したかで変わります。特例の要件と売り方の違いは、空き家特例3,000万円控除|要件と使えない例にまとめています。

🏛️ 確認書は早めに:福岡市の例

上の表の③の確認書は、売った家の所在地の市区町村が出す書類です。窓口や日数は市区町村によって異なることがあるので、ここでは福岡市の案内を一例として紹介します。福岡市では、住宅都市みどり局 住宅部 住宅計画課(市役所 行政棟3階)が窓口で、区役所では受け付けていません。添付書類や記載事項が多いため、来庁の前に電話で日程を調整するよう案内されています(電話 092-711-4598)。遠方の方などは郵送での申請も相談できます(福岡市のページ)。

福岡市は、申請書の受理から確認書の交付まで通常1週間から10日間程度かかり、書類に不足があれば更に日数がかかる場合があるとして、確定申告の前までに余裕をもって申請するよう案内しています。手数料は不要です。また、確認書は空き家であったことを確認する書類で、特別控除が受けられることを確約するものではありません(同ページ)。

解体してから土地を売った場合(福岡市の様式1-2)は、家を解体したあとの閉鎖事項証明書(解体した家の登記を閉じた記録)が原則として要ります。家が未登記などで出せない場合は、取壊しの工事請負契約書のコピーなど、解体した家の住所と取壊し日が確認できる書類を出します(福岡市のチェックシート(様式1-2))。解体の契約書は、申告が終わるまで手元に残しておいてください。

福岡市以外の市町村で売った場合は、その市町村に、確認書の申請先と日数を問い合わせてください。

👣 申告の日から逆算する段取り

実家を売った年から、申告までの流れ(空き家特例を使う場合の例)

売った年のうちに

売買契約書・領収書・解体や測量の契約書など、基になる書類を一つの封筒にまとめます。特例を使うかどうかを早めに相談しておくと、そのあとの準備が決まります。

確認書の申請(申告の前に余裕をもって)

売った家の所在地の市区町村に申請します。福岡市は通常1週間から10日間程度かかり、不足があれば延びます。事前の電話で日程を調整します。

申告書を作る

確定申告書・第三表・譲渡所得の内訳書(特例は5面も)を作り、特例の書類を添えます。

申告

売った年の翌年の2月16日から3月15日の間に申告します。

出典:国税庁 No.3102・No.3306・『令和7年分 譲渡所得の申告のしかた』、福岡市のページ。流れは国税庁と福岡市の案内をもとに当方で並べたものです

⚠️ 申告を忘れていたときは

国税庁は、期限内の申告を忘れた場合でも、気づいたらできるだけ早く申告するよう求めています。この場合は「期限後申告」として扱われます(国税庁 No.2024)。

期限後申告をすると、申告の内容によっては、納める税金のほかに無申告加算税がかかります。税務署から調査の事前通知を受ける前に自分から申告した場合は、納める税金の5%です。ただし、①期限から1か月以内に自主的に申告し、②納める税金の全額を本来の納める期限(法定納期限。口座振替の手続をした場合は期限後申告書を出した日)までに納めているなど、期限内に申告する意思があったと認められる一定の場合(過去5年の加算税などの条件もあります)は、無申告加算税はかかりません。調査の通知のあとなどは、さらに重くなる場合があります(No.2024)。

また、期限後申告で納める税金は、申告書を出した日が納期限になり、納める日までの延滞税もあわせて納めます(No.2024)。空き家特例などを期限後の申告で受けられるかは、このページには書かれていません。税務署で確かめてください。

👣 お一人でもできること

申告の前に、手元で確かめておくこと

売買契約書を見て、引き渡した日(または契約の日)が何年かを確かめる
マイナンバーが分かる書類と、本人確認書類の置き場所を確かめる
特例を使うつもりなら、売った家の所在地の市区町村に、確認書の窓口と日数を問い合わせる
解体した場合は、工事の請負契約書(確認書の申請や、売るのにかかった費用の計算に使います)・領収書(費用の計算に使います)と、家を解体したあとの閉鎖事項証明書(解体した家の登記を閉じた記録)がそろっているか確かめる(取壊しのあとの登記は実家の解体の手続きにまとめています)
国税庁の手引は年ごとに出ます。売った年の分の手引で、申告の期間を確かめる

書類が全部そろっていなくても、税務署や税理士への相談はできます。そろった分を持って行くと、話が早く進みます。

❓ よくあるご質問

Q. 住民税の申告は、別にしなければなりませんか

国税庁の手引は、売った土地や建物の所得には住民税もかかるとしたうえで、所得税の確定申告書を出した方は、改めて住民税の申告書を出す必要はないとしています(『令和7年分 譲渡所得の申告のしかた』p.20)。

Q. 家族の扶養に入っています。売ったことで何か変わりますか

手引は、売った方を扶養控除や配偶者控除などの対象にしている家族がいる場合、売った方の合計所得金額によっては、家族がそれらの控除を受けられないことがあるとしています(同 p.20)。ご家族の申告や年末調整にかかわるので、売る前にご家族とも話しておくと安心です。

Q. 年末に契約して、引き渡しは翌年です。どちらの年で申告しますか

原則は引き渡した日の年ですが、契約の効力発生の日(一般的には契約を結んだ日)の年で申告することもできます(No.3102)。どちらがよいかは、相談先で確かめてください。

📝 この記事のまとめ

  • 実家を売って申告する場合は、売った年の翌年の2月16日から3月15日の間に行います
  • 基本の書類は、確定申告書・申告書第三表・譲渡所得の内訳書です。本人確認書類とマイナンバーも要ります
  • 空き家特例は、税金が0円になる計算でも、書類を添えて確定申告をしないと受けられません
  • 確認書は売った家の所在地の市区町村が出します。福岡市は通常1週間から10日間程度かかるので、早めに申請します
  • 申告を忘れていたら、気づいた時点でできるだけ早く期限後申告をします

長く家族を見守ってきた実家を次のオーナー様へ引き継いだあと、最後に残る手続きが確定申告です。手続きは一度にそろえようとせず、売った年のうちに封筒を一つ用意して、書類を入れていくところから始めてみてください。解体工事の書類(請負契約書など)のことで分からないことがあれば、お問い合わせください。

本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)と『令和7年分 譲渡所得の申告のしかた』、福岡市のページに基づく一般的な説明です。申告が必要かどうか、税額の計算や特例が使えるかの判断は、税理士か所轄の税務署にご確認ください。当社は税の判断をいたしません。最終更新日:2026-10-07。

売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。

💬 解体工事・不動産のご相談はお気軽に!

「解体工事って初めてで不安…」「費用はどれくらいかかるの?」「ご近所にご迷惑がかからないか心配💦」── そんなお悩みはありませんか?解体は一生に何度もあることではありません。分からないことがあって当然です。

ご相談・お見積りは完全無料。無理な営業はいたしませんので、どんな小さなことでも安心してお問い合わせください🙋‍♂️

▶︎ 無料相談・お問い合わせはこちら

お電話でも:092-609-9764(担当:藤木)

株式会社サンミライ開発
〒815-0075 福岡県福岡市南区長丘5丁目24−26−1F
TEL:092-609-9764(担当:藤木)
公式サイト:https://sanmirai.jp