こんにちは、株式会社サンミライ開発 不動産事業部の藤木です。
「福岡市内のご実家を相続したので、解体補助金を調べてみたら、思ったより制度が少なくてがっかりした…」(県外在住の相続人の方より)
同じようなお声を、私たちもよくいただきます。実は福岡市は、北九州市・久留米市・大牟田市など県内の他市と比べて、解体一律補助が限定的です。
ただ、これには明確な理由があります。そして、補助金がなくても相続したご実家であれば3,000 万円の特別控除という別ルートで、大きく負担を減らせる可能性があります。本記事では、まず福岡市の解体補助が限定的な理由をお伝えし、続いて実際に使える3制度と、賢い代替策を一次情報ベースで整理してお伝えします。

🏠 福岡市は解体補助が他市と違って限定的 — その理由

福岡県内の他市町(北九州市・久留米市・大牟田市など)には、上限30 万円〜70 万円程度の老朽危険家屋解体補助制度があります。一方、福岡市には「老朽家屋を条件なく一律で解体する」目的の補助制度は見当たりません(2026年9月時点・私たちが確認した範囲)。ただし、昭和56年5月31日以前に建てられた木造戸建住宅で、耐震診断の結果「倒壊する可能性が高い」と判定されたものは、建替えや除却の補助の対象になる場合があります(相続した空き家の解体も対象に含まれています)。
これは福岡市が他市より冷たいわけではなく、都市の事情と施策の重心の違いによるものです。

福岡市は人口が増え続ける九州最大の都市で、空き家率も全国平均を下回ります。「壊して更地にする」より「使い続ける・活用する」方向に施策の重心があります。そのため福岡市の補助は「道路沿いの安全(ブロック塀)」「耐震化(建替え・除却を含む)」「がけ地の安全」といった、都市住民の安全に直結する条件に絞り込まれています。
福岡県内の他市町については、別記事「福岡県の解体補助金まとめ【福岡市以外・2026年版】」でまとめていますので、福岡市以外にお住まいの方はそちらをご参照ください。

💰 福岡市で実際に使える解体・除却関連の補助制度

それでは、福岡市で2026年9月時点で実際に活用できる制度を3つご紹介します。

ブロック塀等除却費補助事業(上限30 万円)

福岡市のブロック塀等除却費補助事業は、道路に面した危険なブロック塀等の除却費用を補助する制度で、令和8年度から補助率・上限額が引き上げられました。上限30万円、補助額は「長さ×15,000円」と「除却費の3分の2」の低い方です。
対象は、道路に面した高さ2.2mを超えるブロック塀、高さ1.2mを超えて控え壁が有効に設けられていないブロック塀、高さ1m以上で著しいひび割れや傾きがある特に危険なブロック塀などです。
ご注意いただきたいのは、家屋本体の解体には使えない点です。あくまで塀のみが対象です(出典: 福岡市公式)。

木造戸建住宅耐震建替費等補助事業(建替えは最大50万円/除却のみは上限30万円)

福岡市の「木造戸建住宅耐震建替費等補助事業」は、耐震診断で「倒壊する可能性が高い」と判定された木造戸建住宅の建替え・除却を補助する制度です。対象は、昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工した2階建て以下の木造戸建住宅です。補助は2種類あります。建替えの場合は1戸につき20万円で、要件を満たせば除却費の23%(上限30万円)が加算されます(最大50万円)。建替えを伴わない除却の場合は、除却費の23%(上限30万円)です。除却の補助の対象には「空き家を相続又は遺贈により取得し除却する工事(相続開始日から起算して3年を経過する日の属する年の翌年3月までに行うもの)」も含まれています(出典: 福岡市公式)。

ただし、耐震診断(簡単な調査票による方法でも申請できる場合があります)で倒壊の可能性が高いと判定されることが前提で、補助額には既存住宅の延べ床面積に応じた上限もあります。申請は、契約や着工のおおむね1か月前までに行い、工事の契約は、市の補助金交付決定の通知を受けてからです。解体後の土地の使い方(売却してよいかどうか)について、市のページには記載が見当たりませんでしたので、売却を予定している場合は、事前に市の建築物安全推進課(092-711-4580)にご確認ください。施工業者が補助金を代わりに受け取る「代理受領制度」も使えます。

がけ地近接等危険住宅移転事業(上限97.5 万円)

がけ地近接等危険住宅移転事業は福岡県の制度を市町村が運用しており、福岡市内も対象です。県の案内では、1戸あたりの上限は97.5万円(除却費・引越費・仮住居費等の合計上限)です。ただし「補助内容、限度額は市町村によって異なります」とされているため、福岡市での金額は市の窓口でご確認ください。
対象は福岡県のがけ条例範囲・急傾斜地崩壊危険区域・土砂災害特別警戒区域内の住宅で、安全な場所への移転に伴う除却費等が補助されます。「自分の土地が対象になるか」は事前に市の担当窓口へご相談を(出典: 福岡県公式)。

💰 補助金が限定的でも損しない理由 — 3,000 万円特別控除

ここからが本記事の最大のポイントです。福岡市の解体補助は限定的ですが、相続したご実家を売却する場合、譲渡所得から3,000 万円を控除できる特別な制度があります。

被相続人居住用空き家の譲渡所得 3,000 万円特別控除

正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」。要件を満たせば、相続したご実家を売却した時の譲渡所得から最大3,000 万円を差し引ける制度です(出典: 国税庁No.3306)。
主な要件は次の5つで、すべてを満たす必要があります。
・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)
・戸建てで区分所有でない
・被相続人が亡くなる直前まで一人暮らし(または老人ホーム入所等の例外)
・相続から譲渡時まで未利用
・相続の開始があった日(被相続人の死亡日)から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却
要件の判定は専門的な部分もあるため、ご検討の方はお早めに税理士にご相談されることをおすすめします。

さらに令和6年度の改正で、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または除却の工事を行えば適用可能になりました(拡充)。改正前は「相続人が解体して更地にしてから売る」ケースが中心でしたが、改正後は「家屋付きのまま先に売却して、買主側で翌年 2 月 15 日までに耐震改修または解体してもらう」ケースもカバーされます。売却の柔軟性が大きく広がった改正です。

なぜ「補助金」より「特別控除」のほうが大きいのか

数字で考えてみます。仮に相続したご実家を3,000 万円で売却した場合、譲渡所得にかかる所得税・住民税はおおよそ20%前後。3,000 万円特別控除を適用できれば、約600 万円相当の税負担が軽減される計算になります。
福岡市のブロック塀補助(上限30万円)や耐震建替え・除却の補助(上限30万〜50万円)と比較すると、経済効果は10倍以上になる場合があります。福岡市の場合、制度の重心が「解体補助」ではなく「税制特例」「活用補助」に移っているとご理解いただければと思います。

マイホームの建替え・解体後売却にも3,000 万円控除

ご自身が住んでいた住宅(マイホーム)を解体した後、その敷地を1年以内に売却する場合も、別の3,000 万円特別控除(居住用財産譲渡の3,000 万円控除)が使える場合があります。建替えではなく売却を選ぶ場合の制度です(出典: 国税庁No.3320)。

🏠 「壊さずに活用する」という選択肢 — 福岡市の活用補助

福岡市は「使い続ける・活用する」方向に施策の重心があると申し上げました。役割を終えた建物を、別の役割で次の世代に渡すという選択肢にも、補助制度が用意されています。

地域貢献等空き家活用補助金は、上限250 万円・補助率50%。子ども食堂や福祉施設、地域コミュニティ施設等への改修費を支援する制度です。ただし申請主体は社会福祉法人やNPO等が中心で、個人の相続人が単独で申請するケースは限定的です(出典: 福岡市公式)。
市街化調整区域空き家活用補助金は、上限100 万円・補助率50%。市街化調整区域(都市計画法で原則として新規開発が制限されているエリア)の空き家を住居や地域施設として改修する場合の支援です(出典: 福岡市公式)。

⚠ 申請の落とし穴 — 交付決定前の契約・着工はNG

ここまでご紹介した福岡市の補助制度すべてに共通する大原則です。
事前相談 → 補助金交付申請 → ★交付決定通知 → 契約・着工 → 完了報告 → 補助金交付
★がついた「交付決定通知」を受ける前に解体業者と契約したり工事に着手したりすると、その時点で補助対象から外れます。「補助金が使えると聞いて、すぐ業者と契約してしまった」という後悔をなくすため、申請順序だけはどうか守ってください。

📋 自分の物件はどれが使えるか — 簡易チェックリスト

ご自身のケースで何が使えそうか、下記でチェックしてみてください。【経済効果が大きい順】に並べています。

複数該当する場合や判断に迷う場合は、解体業者・税理士・市の窓口(耐震・ブロック塀は建築物安全推進課)へご相談ください。解体工事を依頼する際は、補助金の申請順序に詳しい業者を選ぶこと、そして近隣の方への養生・散水・清掃の配慮が行き届く業者を選ぶことも忘れずに。

🤔 よくある質問

Q1. 福岡市で「老朽家屋なら誰でも」使える解体補助はありますか?

A. 「老朽家屋なら誰でも」使える制度は、私たちが確認した範囲では見当たりません(2026年9月時点)。福岡市の補助は、ブロック塀・耐震建替え/除却・がけ地など、条件付きの制度です。ただし、昭和56年5月31日以前に建てられた木造戸建住宅で、耐震診断の結果「倒壊する可能性が高い」と判定されたものは、相続した空き家の解体も含めて、除却費の23%(上限30万円)の補助の対象になる場合があります。福岡県内の他市町の状況は、お住まいの自治体によって異なります。

Q2. 福岡県内の他市の方が補助が厚いと聞きました。本当ですか?

A. 市町によって違います。福岡市以外の県内の市町には、危険な空き家の除却補助(上限30万〜65万円程度。大牟田市の中心市街地では長屋・非木造で最大150万円)や、耐震の補助の中の除却枠(上限30万〜60万円)がある市町があります。詳しくは別記事「福岡県の解体補助金まとめ【福岡市以外・2026年版】」をご参照ください。福岡県・佐賀県の広域比較は「実家の解体に使える補助金まとめ【福岡・佐賀 2026年版】」もあわせてどうぞ。

Q3. 相続したご実家を解体・売却する場合、何から始めればいいですか?

A. ① 建築年と相続日を確認 → ② 3,000 万円特別控除の対象になるか税理士にご相談 → ③ 解体業者に見積依頼(補助対象になるかも並行確認) → ④ 売却計画。相続から3年以内が3,000 万円特別控除の鉄則ですので、時間に余裕を持って動くのが安心です。

Q4. 補助金の交付決定前に工事を始めてしまいました。どうなりますか?

A. ほとんどの自治体で補助対象外となります。まずは市の担当課へご相談を。福岡市の耐震建替え・除却の補助とブロック塀の補助の窓口は、住宅都市みどり局 建築物安全推進課(092-711-4580)です。状況によっては別の制度を案内してもらえる可能性もあるため、諦めずに相談されることをおすすめします。

Q5. 県外在住の相続人ですが、自分で申請できますか?

A. 補助金の申請者は所有者または相続人ご本人です。書類提出は郵送可の自治体もありますが、現地調査の立会いや危険度判定など、現地での対応が必要な場面もあります。解体業者と連携して進めるのが現実的です。3,000 万円特別控除についても、市町村の確認書発行や税理士相談を含めて、お一人で抱え込まず専門家を頼ってください。

✅ まとめ — 福岡市は「補助」より「税制と活用」

福岡市の解体補助金は、福岡県内の他市と比べて限定的です。本記事の要点を整理します。
・解体に使える補助は3制度(ブロック塀 上限30万円・耐震建替え 最大50万円/除却のみ 上限30万円・がけ地 上限97.5万円)。いずれも条件付きですが、相続した旧耐震の木造空き家の解体は、除却の補助の対象になる場合があります
・ただし相続したご実家なら3,000 万円特別控除で経済効果は補助金の数十倍
・「壊す前に活用」の選択肢(地域貢献250 万円・市街化調整区域100 万円)も視野に
・★交付決定通知前の契約・着工は補助対象外になります
福岡市は人口流入都市として「使い続ける」方向に施策の重心があります。補助の限定性を「冷たい」と捉えるのではなく、税制特例や活用補助という別ルートを賢く活用することが、ご実家の未来への準備につながります。

私たちサンミライ開発は、福岡県・佐賀県全域で解体工事と不動産売却をワンストップで承る事業者として、税理士と連携しながら補助金・税制特例の活用相談に対応しています。「相続したご実家をどうするか分からない」段階からのご相談も、お気軽にお寄せください。

最終更新日: 2026年9月24日 / 本記事は2026年度(令和8年度)の制度に基づく解説です。最新情報は各自治体公式サイトおよび国税庁公式サイトをご確認ください。

■ 解体工事・不動産に関するご相談はお気軽に!
「解体工事って初めてで不安…」 「費用はどれくらいかかるの?」 「近隣の方にご迷惑がかからないか心配💦」
そんなお悩みはありませんか? 解体工事は、一生に何度もあることではありません。分からないことがあって当然です! どんな小さなことでも構いませんので、まずはサンミライ開発までお気軽にご相談ください🙋‍♂️
もちろん、ご相談やお見積りは完全無料です。 しつこい営業などは一切いたしませんので、安心してお問い合わせくださいね!

🔗 ▶︎ 無料相談・お問い合わせフォームはこちらをクリック!

株式会社サンミライ開発
★新事務所へ移転しました!★
【新住所】〒815-0075 福岡県福岡市南区長丘5丁目24−26−1F
(旧住所:〒811-2221 福岡県糟屋郡須恵町旅石72-381)
TEL:092-609-9764 (担当:藤木)
公式サイト:https://sanmirai.jp