こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。

福岡の実家が空き家になり、「市の空き家バンクに出せば、買い手が見つかるかもしれない」と考えていませんか。

先にお伝えします。空き家バンクは、売りたい方の家の情報を、市が買いたい方に紹介する制度です。福岡市の場合、媒介する不動産会社は市が選び、契約が成立したら法定の範囲内の手数料等がかかります。また、すでに不動産会社に売却を頼んでいる家は、原則として登録できません。

空き家バンクは、売れることを約束する制度ではありません。条件と流れを知ったうえで、不動産会社に直接頼む道と並べて考えると、迷いが減ります。この記事では、福岡市と福岡県のページをもとに、次の順にご紹介します。

  • 空き家バンクの仕組み(福岡市の流れの図)
  • 福岡市の空き家バンクに登録できる家の条件
  • すでに不動産会社に頼んでいる家の扱い
  • 福岡県版の空き家バンクとの違い
  • 登録の数と、不動産会社に直接頼む道

🏠 空き家バンクとは、市が物件の情報を紹介する制度です

空き家バンクとは、空き家を売りたい・貸したい方の物件の情報を、市町村が、買いたい・借りたい方に紹介する制度です。福岡市では、売買の手続きは、市が選んだ不動産会社(媒介事業者)が受け持ちます。

福岡市空き家バンクで、売りたい方の家の情報が買いたい方に届くまでの流れの図。1 売りたい方が市に家の情報を出す(媒介契約を結んでいない家が原則)、2 市が登録事業者の中から輪番制で媒介する不動産会社を選ぶ、3 選ばれた会社と媒介契約を結ぶ、4 福岡県版空き家バンク(ふれんず・ラビーネット)に載る、5 買いたい・借りたい方が探す(売れることを約束する制度ではない)、6 契約が成立したら法定の範囲内の手数料等がかかる
福岡市空き家バンクの流れ(福岡市「福岡市空き家バンク」・福岡県「空き家対策」のページをもとに当社作成)

福岡市のページでは、所有者などが市に空き家の情報を出すと、市が「登録事業者の中から輪番制で媒介事業者を選任します」と説明されています。輪番制とは、順番に受け持つやり方のことです。

所有者は、選ばれた会社と媒介契約(売買の相手探しや手続きを頼む契約)を結びます。そのあと、物件の情報が、その会社が入っている協会のサイトの中にある「福岡県版空き家バンク」に載ります。

気をつけたいのは、費用です。福岡市のページには、売買などの契約が成立したあとは、法定の範囲内の手数料等がかかると書かれています。くわしくは媒介事業者に尋ねるよう案内されています。

空き家バンクは、情報を紹介する入り口です。売買そのものは、媒介する不動産会社と一緒に進めます。

出典:福岡市「福岡市空き家バンク」(更新日 2026年9月16日)、福岡県「空き家対策」(いずれも2026年10月8日確認)

📋 福岡市の空き家バンクに登録できる家の条件

登録できるのは、福岡市内の住まい用の一戸建て(店舗兼用を含む)で、ふだん誰も住んでいない家(住まなくなる予定の家を含む)です。

あわせて、登記と権利関係が整っていること、共有なら全員が合意していることが求められます。

市のページには、空き家として登録する家の条件が、次のように書かれています。

福岡市空き家バンクの主な条件(空き家)

住まい用の一戸建て、または店舗兼用住宅(店舗などの部分の床面積が、延べ床面積のおおむね2分の1未満のもの)
誰も住んでいないことがふつうの状態であるか、これから住まなくなる予定で、福岡市内にあること
空家等対策の推進に関する特別措置法でいう「特定空家等」でないこと
建築基準法に基づく是正指導を受けていないこと
登記が完了し、権利関係が整理されていること
共有の場合は、共有者全員の合意が得られていること

たとえば、親から相続した家で、名義がまだ亡くなった親のままの場合は、「登記が完了し、権利関係が整理されていること」に当たるかが問題になります。当たるかどうかの判断は市が行いますので、登録の前に市にお確かめください。相続登記の期限は、相続登記の義務化|期限は3年・実家を売る前にでご紹介しています。

兄弟で共有の家は、全員の合意が要ります(兄弟の意見が割れたら)。

まずは、名義と共有の状態を確かめましょう。ここが整っていないと、空き家バンクにも、ふつうの売却にも進みにくくなります。申し込みのしかたは、福岡市のページの案内でお確かめください。

出典:福岡市「福岡市空き家バンク」(2026年10月8日確認)

⚠️ すでに不動産会社に頼んでいる家は、原則として登録できません

福岡市の空き家バンクには、不動産会社と媒介契約を結んでいる家は、原則として登録できません。契約の種類は問いません。例外は、限られた場合だけです。

媒介契約には、ほかの会社にも重ねて頼める契約(市のページでは「一般媒介契約」)、ほかの会社に重ねて頼まない「専任媒介契約」、その中でも、頼んだ会社が見つけた相手としか契約できない約束を含む「専属専任媒介契約」があります。

市のページの条件には、「専属専任媒介契約、専任媒介契約及び一般媒介契約のいずれの契約も締結していないこと」とあります。例外として認められるのは、次の3つがすべてそろう場合です。

媒介契約があっても登録できる例外(3つすべて)

相手が登録事業者

媒介契約を結んでいる不動産会社が、福岡市の登録事業者であること

専属専任か専任の契約

契約の種類が、専属専任媒介契約か専任媒介契約であること(一般媒介契約は、例外に入りません)

契約日から1年を経過

媒介契約の日から、1年を過ぎていること

たとえば、半年前に不動産会社と一般媒介契約を結んで売りに出している家は、この例外に当たりません。「売れないから、空き家バンクにも出しておこう」と並べて使うことは、福岡市の仕組みでは原則としてできない、ということです。

すでに媒介契約がある家は、上の3つがそろわない限り、空き家バンクには登録できません。空き家バンクに出すか、不動産会社に頼むか、どちらから始めるかを先に決めておくと安心です。

出典:福岡市「福岡市空き家バンク」(2026年10月8日確認)

🗾 福岡県版の空き家バンクは、市町村の情報をまとめて探せる仕組みです

福岡県版空き家バンクは、市町村の空き家バンクの情報を、まとめて探せる仕組みです。県のページには、県に直接登録する仕組みとは書かれていません。

福岡県のページによると、県は福岡県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会福岡県本部と協定を結び、宅建事業者が仲介する市町村の「空き家バンク」の空き家情報を、横断して探せるようにしました。

サイト運営運用の始まり
ふれんず福岡県宅地建物取引業協会平成30年8月1日
ラビーネット全日本不動産協会福岡県本部平成30年11月14日
福岡県「空き家対策」のページをもとに当社作成

福岡市の空き家バンクに出した家も、媒介契約のあと、この県版に載る流れです(1つ目の図の4)。

福岡市の空き家バンクは、市内にある家が対象です。県版は、買いたい方が探すための入り口と考えるとわかりやすいです。ほかの市町村の空き家バンクは、それぞれのページでお確かめください。

出典:福岡県「空き家対策」(更新日 2025年9月1日・2026年10月8日確認)

📊 福岡市のバンクの登録状況と、不動産会社に直接頼む道

空き家バンクも、契約が成立すれば法定の範囲内の手数料等がかかります。費用をかけないための道ではありません。

福岡市のバンクの登録は、2026年10月8日の時点で累計9件(すべて売買)と表示されていました。媒介する会社を自分で選びたいときは、不動産会社に直接頼む道もあります。

項目福岡市のページの表示(2026年10月8日)
累計の登録件数9件(売買9件・賃貸0件)
うち成約件数8件
うち募集中件数1件
運用の始まり令和2年4月1日
福岡市「福岡市空き家バンク」をもとに当社作成。ページには「売買等の手続き中につき掲載が終了している物件がある場合は、募集中件数と掲載物件の数が合わない場合があります」との注記があります

一方、不動産会社に直接、売却を頼む場合は、会社と媒介契約を結びます。宅地建物取引業法では、媒介契約を結んだ会社は、売る値段(価額)や契約の期間、報酬などを書いた書面を渡すこと、値段について意見を言うときはその根拠を示すことが決められています。

不動産会社に直接頼むときに、法律で決まっていること(主なもの)

専任媒介契約(ほかの会社に重ねて頼まない契約)の期間は3か月まで。更新は売主の申し出があったときで、更新のあとも3か月までです
専任媒介契約では、会社は7日以内(専属専任は5日以内。休業日は数えません)に、国土交通大臣が指定する機関(指定流通機構)に物件を登録します
買いたいという申し込みがあれば、会社は遅滞なく売主に知らせます(どの媒介契約でも)
専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任では1週間に1回以上、進み具合の報告があります

市の空き家バンクに出すか、不動産会社に直接頼むかで迷われたら、名義・共有・媒介契約の有無を確かめたうえで、両方の進み方を比べてみてください。売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。

買取と仲介の違いは空き家の買取と仲介の違い、売却の全体の流れは空き家売却の流れ|相談から引き渡しまで6つの順番でご紹介しています。

出典:福岡市「福岡市空き家バンク」、宅地建物取引業法 第34条の2(e-Gov)、同法施行規則 第15条の9・第15条の10(e-Gov)

❓ よくあるご質問

Q. 空き家バンクに出せば、費用はかかりませんか

いいえ、かからないとは言えません。福岡市のページには、売買などの契約が成立したあと、法定の範囲内の手数料等がかかると書かれています。金額は、媒介を受け持つ会社にお尋ねください。

Q. 空き家バンクで、担当の不動産会社を選べますか

福岡市の空き家バンクでは、媒介を受け持つ会社は、市が登録事業者の中から輪番制で選ぶ、と説明されています。決まった会社に頼みたい場合は、その会社に直接、売却を相談する道もあります。

Q. 福岡市以外にある家も、福岡市の空き家バンクに出せますか

福岡市の空き家バンクの条件は「市内に所在すること」です。福岡市の外にある家は、その市町村の空き家バンクの有無と条件を、市町村のページでお確かめください。売り方の相談先に迷うときは、空き家・実家の相談先もご覧ください。

Q. 登録しても売れないときは、どうすればよいですか

一概には言えません。値段の根拠や売り方、建物を残すか解体するかを見直す方法を、実家が売れないときにできること|見直す4つにまとめています。

出典:福岡市「福岡市空き家バンク」(2026年10月8日確認)

📝 この記事のまとめ

  • 空き家バンクは、売りたい方の家の情報を、市町村が買いたい方に紹介する制度です。売れることを約束するものではありません
  • 福岡市では、媒介する会社を市が輪番制で選び、契約が成立したら法定の範囲内の手数料等がかかります
  • 登録できるのは、市内の住まい用の一戸建てなどで、登記と権利関係が整い、共有なら全員が合意している家です
  • すでに媒介契約がある家は、原則として登録できません(例外は、登録事業者との専属専任か専任で、契約日から1年を過ぎた場合だけ)
  • 福岡県版は市町村の情報をまとめて探せる仕組み。不動産会社に直接頼む道と並べて考えましょう

空き家になった実家を、誰に、どう託すか。空き家バンクも、不動産会社への依頼も、家を次の方へ引き継ぐための入り口です。名義や共有の状態、どちらから始めるかで迷われている方は、お気軽にご相談ください。

本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、福岡市「福岡市空き家バンク」(更新日:2026年9月16日)、福岡県「空き家対策」(更新日:2025年9月1日)、宅地建物取引業法 第34条の2、同法施行規則 第15条の9・第15条の10 に基づく一般的な説明です(2026年10月8日・9日に確認)。登録件数は2026年10月8日の表示です。登録できるかの判断は福岡市に、福岡市以外の空き家バンクはそれぞれの市町村にご確認ください。最終更新日:2026-10-26。

売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。

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