こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。
「実家を売りに出して何か月もたつのに、問い合わせが少ない」
「このまま売れなかったら、どうすればいいのだろう」
そんなご相談をいただくことがあります。
先にお伝えします。実家が売れないときは、次の4つを順に見直します。①〜③で売る道を確かめ、それでも難しければ、④売る以外の手放し方も比べます。
売れない理由がどこにあるかで、打つ手が変わるためです。売れないまま持ち続けるあいだも、固定資産税や手入れの負担は続きます(空き家の固定資産税)。
この記事では、次のことを順にご紹介します。
- 見直す4つと、その順番(図)
- 売り出しの値段の根拠を、不動産会社に聞き直すこと
- 媒介契約(売却を頼む契約)の期間と、売り方を見直す区切り
- 建物を残すか、解体するか、買い取ってもらうかの比べ方
- 空き家バンク・相続土地国庫帰属制度を使うときの条件
一つずつ確かめていけば、何から手をつければよいかが見えてくるはずです。
🧭 実家売却が進まないときは、4つを順に見直します
実家が売れないときは、①値段の根拠、②売り方、③建物を残すか解体するか、④売る以外の手放し方、の順に見直します。

この順にするのは、前の答えが次の判断の材料になるためです。たとえば、値段の根拠(①)が分かると、建物を残すか解体するか(③)を比べるときの土台になります。
ご自分の実家がどこでつまずいているかを、この順に確かめてみてください。④は、市町村の窓口や法務局で確かめます。
💴 ① 売り出しの値段の根拠を、不動産会社に聞き直す
値段を下げるかどうかを決める前に、いまの値段がどんな根拠で決まったのかを、不動産会社に聞き直します。
宅地建物取引業法では、不動産会社が売る値段について意見を言うときは、その根拠を明らかにしなければならないと定めています(第34条の2第2項)。売る値段は、媒介契約(不動産会社に売却を頼む契約)の書面に書く事項の一つでもあります(同条第1項第2号)。
たとえば、何と比べてその値段にしたのか、古い建物の分をどう見ているのか、を聞いてみます。査定の値段には、家の前の道路にどう接しているかといった土地の条件も含めて見込まれています。根拠がはっきりすれば、値段が合っていないのか、売り方に原因があるのかを分けて考えやすくなります。
納得できなければ、次の「売り方」とあわせて見直しましょう。
出典:宅地建物取引業法(e-Gov 法令検索) 第34条の2第1項・第2項(2026年10月時点の条文)
🤝 ② 売り方を見直す区切りは、媒介契約の期間の終わりです
売り方を見直す区切りは、媒介契約の期間の終わりです。専任媒介契約の有効期間は3か月までで、更新は、売主から申し出たときだけです。
宅地建物取引業法は、ほかの会社に重ねて頼めない「専任媒介契約」について、有効期間は3か月を超えられず、更新は依頼した人の申し出によると定めています(第34条の2第3項・第4項)。期間の終わりが近づいたら、続けるか、頼み方を変えるかを考える機会になります。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 期間 | 専任媒介契約は3か月まで。更新は売主の申し出により、更新のときから3か月まで |
| 報告 | 専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約(自分で見つけた買い手とも直接は契約できない形)は1週間に1回以上、仕事の状況を報告。購入の申込みは、どの媒介契約でも報告 |
報告の中身を見て、頼む会社や頼み方を変えるかを考えます。売り方には、不動産会社に買い手を探してもらう形(仲介)のほかに、不動産会社に買い取ってもらう形(買取)もあります。違いは空き家の買取と仲介の違い、古家付き土地の場合は古家付き土地の買取|仲介手数料と手取りにまとめています。
出典:宅地建物取引業法 第34条の2第3項・第4項・第8項・第9項、同法施行規則 第15条の9(2026年10月時点の条文)
🏠 ③ 建物を残すか、解体するかは、解体と売却を一緒に見て決める
建物を残したまま売るか、解体して更地で売るか、買い取ってもらうかは、それぞれの形で手元に残るお金と手間を、同じ物差しで並べて決めます。
どれが合うかは、建物の状態、解体にかかる費用、売れる見通しによって変わるためです。解体の費用は解体の会社に、売却の見通しは不動産会社に、と別々に聞くと、条件のそろった数字で比べにくくなります。
| 売り方の形 | 良い点 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 買い取ってもらう(買取) | 解体費がかからず、片付けや解体の手間もかけずに済む。いちばん早くて楽な選び方 | 手元に残るお金は、少なくなることがある |
| 建物があるまま売る(古家付き土地) | 解体費を先に用意しなくて済む | 建物をどうするかは、買い手が考えることになる |
| 解体して更地で売る | 買い手が建物の扱いを考えずに済む | 売れる前に解体費がかかる |
比べるときの決め手は、古家付き土地売却|残すか更地にするか決め手5つにまとめています。長年家族を守ってきた家だからこそ、残すか、感謝とともにお別れするかを、材料をそろえて決めたいところです。
🏠 ここが、サンミライ開発のいちばんの強みです
当社では、買取・解体して更地で売る・建物があるまま売る、のどの形でもご相談いただけます。解体工事も自社で責任を持って行いますので、解体費も含めてそれぞれの形を並べ、手元に残るお金がいちばん多くなる選び方をご提示します。
建設業許可:福岡県知事許可(般-7)第117520号/宅地建物取引業免許:福岡県知事(1)第21156号。解体と売却の両方を、一つの窓口でお受けしています。
売れない理由が建物にあるのか、値段や売り方にあるのかは、並べてみて初めて見えることもあります。売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。
🗺️ ④ 売る以外の手放し方は、使える条件を先に確かめる
売る以外にも、空き家バンクに出す、国に土地を引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)、などの道があります。ただし、どちらも使える条件が決まっているので、先に確かめます。
空き家バンク(福岡市の例)
福岡市空き家バンクは、空き家を売りたい・貸したい方から市に提供された物件の情報を、買いたい・借りたい方に紹介する制度です。市が登録事業者の中から輪番制で媒介する会社を選び、媒介契約のあと、福岡県版空き家バンクに物件の情報が載ります。県版は、市町村の空き家バンクの情報をまとめて探せる仕組みです。
福岡市空き家バンクに出せるかの主な条件
契約が成立したあとは、法定の範囲内の手数料等がかかります。福岡市以外の市町村の空き家バンクの条件は、それぞれの窓口でご確認ください。
いま不動産会社に売却を頼んでいる家は、原則として出せない点に注意してください。
相続土地国庫帰属制度(国に土地を引き取ってもらう)
相続や遺贈(相続人に対するもの)で土地を受け継いだ人が、法務大臣の承認を受けて、土地を国に引き取ってもらう制度です。売買で自分で買った土地は、基本的に使えません。共有の土地は、共有者全員で申請します。
- 建物がある土地は申請できません(第2条第3項)。登記がなくても建物が現にあれば申請できず、解体してから申請するのが原則です
- 建物がなくても、承認されるとは限りません。管理に過分の費用や労力がかかる崖がある土地や、地下に取り除かなければならないものがある土地などに当たると、承認されません(第5条)。法務省のQ&Aは、地下の建物の基礎やガラ、浄化槽、井戸などが当たると考えられる、としています
- 審査手数料は一筆(登記の上での土地の1区画)あたり14,000円で、却下や不承認でも返ってきません。承認されたら負担金を納めます。負担金は20万円が基本ですが、市街化区域などの宅地は、面積に応じて20万円以上になることがあります
- 申請先は、土地のある都道府県の法務局・地方法務局の本局です(支局・出張所では受け付けていません)
- 申請書類の作成を頼めるのは、弁護士・司法書士・行政書士だけです
解体すれば国に引き取ってもらえる、というわけではありません。解体や負担金の費用もかかるので、売る道と比べて考えたい制度です。法務省のQ&Aは、ほかの方法として、地方公共団体などへの寄附や、民間での売買・贈与なども挙げています。
出典:福岡市空き家バンク(更新日 2026年9月16日)、福岡県 空き家対策、相続土地国庫帰属法(e-Gov)、法務省 相続土地国庫帰属制度の概要、同 Q&A(いずれも2026年10月8日確認)
❓ よくあるご質問
Q. 媒介契約の途中で、別の不動産会社に替えられますか
一概には言えません。媒介契約の書面には「有効期間及び解除に関する事項」を書くことになっているので(宅地建物取引業法 第34条の2第1項第5号)、まずは手元の契約書のその欄を確かめてください。専任媒介契約なら、期間は3か月までで、更新は売主の申し出によります。
Q. 空き家バンクに登録すれば、売れやすくなりますか
そうとは言い切れません。空き家バンクは、売りたい方の物件の情報を、買いたい方に紹介する制度で、売れることを約束するものではありません。また福岡市の場合、媒介する会社は市が登録事業者の中から輪番制で選ぶ仕組みです。
Q. 国に引き取ってもらうために、先に解体したほうがよいですか
申請するには、原則として建物を解体しておく必要があります。ただし、解体しても承認されるとは限りません。法務省のQ&Aは、申請のあと速やかに解体する予定なら、申請先の本局に問い合わせるよう案内しています。本局の相談(予約制・1回30分以内)で見通しを聞いてみてください。
📝 この記事のまとめ
- 実家が売れないときは、①値段の根拠、②売り方、③建物を残すか解体するか、④売る以外の手放し方、の順に見直します
- 値段は、下げる前に根拠を聞き直します。不動産会社は、値段の意見を言うときに根拠を明らかにしなければなりません。道路などの土地の条件も、その根拠に含まれます
- 専任媒介契約の期間は3か月まで。期間の終わりを、売り方を見直す区切りにします
- 建物を残すか、解体するか、買い取ってもらうかは、解体費も含めて手元に残るお金と手間を同じ物差しで並べて決めます
- 空き家バンク・相続土地国庫帰属制度は、使える条件が決まっています。媒介契約中の家や、建物がある土地は、そのままでは使えません
- 最初の一歩は、手元の媒介契約書で有効期間を確かめ、不動産会社に値段の根拠を聞くことです
売れない時間が続くと、家族の思い出が詰まった実家のことだけに、気持ちも重くなりがちです。どこでつまずいているかを一緒に確かめ、次のオーナー様へ、あるいは次の役割へと、実家を気持ちよく送り出す道を考えさせてください。
本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、宅地建物取引業法・同法施行規則・相続土地国庫帰属法の条文(2026年10月時点・e-Gov 法令検索)、法務省・福岡市・福岡県の公式ページ(2026年10月8日確認)に基づく一般的な説明です。国庫帰属の申請の可否は法務局の判断です。契約の解除など法律の当てはめは、弁護士・司法書士にご確認ください。最終更新日:2026-10-13。
売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。