こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。
「実家じまいを業者に頼みたいけれど、どこに何を頼めばいいのか分からない」
「チラシで見た回収業者に頼んで大丈夫だろうか」
離れて暮らす実家のことで、そう迷われる方は少なくありません。
先にお伝えします。実家じまいで頼む先は、「家の中の物」「建物」「土地と家」の3つに分かれ、それぞれ要る許可が違います。
頼む中身ごとに法律が分かれていて、許可を出す役所も違うためです。どの許可を持つ業者に頼めばよいかが分かれば、高額な請求などのトラブルを避けやすくなります。
この記事では、次のことを順にご紹介します。
- 実家じまいで頼む先の3つと、それぞれに要る許可
- 家の中の物を回収してもらうときに確かめること
- 福岡市が注意を呼びかけている業者の例
- 解体と売却を頼むときに確かめること
業者に連絡する前に、ここだけは押さえておきましょう。
🧭 実家じまいで頼む先は、中身ごとに3つです
家の中の物は市町村の許可や古物商の許可、建物の解体は解体工事業の登録か建設業の許可、土地と家の売却は宅地建物取引業の免許が目安です。

実家じまいは、ひとつの業者だけで終わる作業ではありません。たとえば、家の中の物を片付けてから解体し、土地を売る場合、3つの中身それぞれに別の法律が関わります。
まとめて頼める会社に頼む場合でも、どの作業を誰がどの許可で行うかは、聞いて確かめておくと安心です。まずは、頼みたい中身が3つのどれに当たるかを書き出してみてください。
📦 家の中の物:回収は市町村の許可、買取は古物商
家の中の不用品を回収してもらうなら、実家のある市区町村の一般廃棄物の許可(または委託)がある業者に頼みます。古物商や産業廃棄物の許可だけでは、家庭のごみは回収できません。
環境省は、ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要で、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できない、と案内しています。なお、廃棄物処理法第7条は、一般廃棄物の収集や運搬を仕事として行うには、その区域を受け持つ市町村長の許可が要ると定めています。福岡市はこれを「家庭のごみ(不用品)の回収に要る許可」として案内しています。
気をつけたいのは、許可は市町村ごとに出るという点です。業者が許可を持っていても、実家のある市町村の許可かどうかを確かめましょう。
| 頼みたいこと | 要る許可など | 許可を出すところ |
|---|---|---|
| 要らない物を回収してもらう | 一般廃棄物収集運搬業の許可(または委託) | 市町村長 |
| まだ使える物を買い取ってもらう | 古物商の許可 | 都道府県公安委員会 |
| 家電リサイクル法の対象の家電を引き取ってもらう | 家電リサイクル法による引取り(家電小売店など) | (許可ではなく、法律の仕組みで引き取られます) |
まだ使える家具や道具は、古物商の許可を持つリユースショップなど、信用できる業者に中古品として買い取ってもらう道もあります(環境省の案内)。どれに当たるか分からない物は、実家のある市区町村に問い合わせるのが確かです。
回収を頼む前に確かめること
福岡市の許可業者は、市のページから協同組合福岡市事業用環境協会のホームページで確かめられます
出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」、廃棄物処理法第7条、古物営業法第3条(2026年10月時点の条文)
⚠️ 福岡市が注意を呼びかけている業者の例
「無料」「格安」とうたっていても、お金を払って回収してもらうなら、一般廃棄物の許可が要ります。福岡市は、許可のない回収業者を使わないよう呼びかけています。
福岡市のページ(2026年3月13日更新)では、「定額料金」「即日対応」「格安」「無料」などとうたう不用品回収業者による、高額な請求のトラブルが報告されています。令和8年1月と2月には、福岡市内で、特定商取引法違反と廃棄物処理法違反(無許可での収集運搬)で逮捕される事案も起きています。
市が「違法業者の例」として挙げているのは、次の4つです。
- 「リサイクルするから、回収に許可はいらない」と説明する
- 産業廃棄物収集運搬業の許可番号しか持っていない
- 古物商の許可番号しか持っていない
- 「一般廃棄物収集運搬許可業者と提携」とうたっているが、実際には無許可の業者がそのまま運ぶことがある
また、市によると、料金は無料と宣伝していても、運送費や手数料などの名目で支払いがあれば、それはごみの回収です。許可業者は、軽トラックなどで街宣しながら回収することはない、とも書かれています。
被害の例としては、積み込みが終わってから事前の説明と違う高い料金を求められた、「作業が始まったらキャンセルできない」とうその説明をされた、などが挙がっています。料金は積み込みの前に確かめ、迷ったら市に相談しましょう。福岡市の窓口は、環境局 循環型社会推進部 収集管理課(092-711-4346)です。実家が福岡市以外にある方は、その市区町村にお問い合わせください。
出典:福岡市「ごみ(不用品)の処分(不用品回収)に『無許可の回収業者』を利用しないでください」(更新日:2026年3月13日)
🏚️ 建物:解体は「登録」か「許可」のある業者に
実家を解体するなら、解体工事業の登録か、建設業の許可(土木・建築・解体工事業のどれか)を受けている業者かを確かめます。
建設リサイクル法(第21条)は、解体工事業を営む人に、都道府県知事の登録を求めています。ただし、建設業法の土木工事業・建築工事業・解体工事業の許可を受けている業者は、この登録の対象から外れます。どちらも5年ごとの更新です。
つまり、「登録」か「許可」のどちらかがあるかを確かめましょう。条文からは、登録と許可のどちらが優れている、とは言えません。
見積書や契約書の見方は、解体業者の選び方|見積書の見方と注意点7つにまとめています。解体の前の片付けを家族で誰が担うかは、実家じまいの片付け|解体の前に誰が何をするかをご覧ください。
出典:建設リサイクル法第21条、建設業法第3条(2026年10月時点の条文)
🏠 土地と家:売るなら宅地建物取引業の免許
実家の売却の仲介を頼むなら、宅地建物取引業の免許を受けた会社に頼みます。
宅地建物取引業法では、土地や建物の売買や、その仲介(媒介)などを仕事として行うことを「宅地建物取引業」と呼びます。実家の売却の仲介も、これに当たります。これを営むには、事務所が一つの都道府県だけにあれば都道府県知事の、二つ以上の都道府県にあれば国土交通大臣の免許が要ります(第3条)。免許の有効期間は5年です。
免許を受けていない人は、宅地建物取引業を営むことも、営むと表示したり広告したりすることもできません(第12条)。当社も、宅地建物取引業の免許(福岡県知事(1)第21156号)を受けています。
こうして見ると、実家じまいは「片付け」「解体」「売却」がつながっています。家を残して売るか、解体して売るかで、片付けの範囲も変わります。実家じまい全体の順番は、実家じまいの手順|7つの順番と3つの期限にまとめています。
残すか解体するかで迷われたら、両方の見通しを並べて比べるのが近道です。解体の見積りと売却の査定を、同時にお出しできます。売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。売却の仲介を頼むときは、宅地建物取引業の免許を受けた会社かを確かめましょう。
出典:宅地建物取引業法第2条・第3条・第12条(2026年10月時点の条文)
❓ よくあるご質問
Q. 市の粗大ごみと業者は、どう使い分ければよいですか
市の方法を使わずに業者に頼むなら、許可業者にします。福岡市は、いつものごみ出しや市の粗大ごみ受付センターを使わずに、ほかの人に回収を頼むときは、市の「一般廃棄物収集運搬業許可業者」に頼むよう案内しています(福岡市のページ)。ほかの市町村の決まりは、実家のある市区町村にご確認ください。
Q. 回収の料金に決まりはありますか
あります。一般廃棄物の許可業者は、市町村が条例で定める手数料の額に相当する額を超える料金を受け取ってはならない、と法律(廃棄物処理法第7条第12項)で定められています。額は市町村の条例で決まるので、実家のある市区町村にお問い合わせください。
Q. 実家が遠くて立ち会えません。どこに相談すればよいですか
まずは、家をどうするか(残す・解体する・売る)を決められる相談先を一つ持つと進めやすくなります。相談先の選び方と、相談の前に聞いておきたい質問は、実家じまい・空き家の相談先|相談前に聞く質問にまとめています。
📝 この記事のまとめ
- 実家じまいで頼む先は「家の中の物」「建物」「土地と家」の3つ。要る許可がそれぞれ違います
- 不用品の回収は、実家のある市町村の一般廃棄物の許可(または委託)がある業者に。古物商や産業廃棄物の許可だけでは回収できません
- 「無料」「格安」とうたっていても、支払いがあればごみの回収です。料金は積み込みの前に確かめましょう
- 解体は解体工事業の登録か建設業の許可、売却の仲介は宅地建物取引業の免許を確かめます
- 次の一歩は、①頼みたい中身を3つに分けて書き出す、②業者の許可を確かめる、③迷ったら市区町村に聞く、の3つです
長い年月、家族を見守ってきた実家だからこそ、最後まで安心できる相手に託したいものです。どこに何を頼むかを一緒に整理し、次のオーナー様へ気持ちよくつなぐお手伝いができれば幸いです。
本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、廃棄物処理法・古物営業法・建設リサイクル法・建設業法・宅地建物取引業法の条文(2026年10月時点・e-Gov 法令検索)と、環境省・福岡市の公式ページに基づく一般的な説明です。回収の方法や許可業者は市町村ごとに違うため、実家のある市区町村でご確認ください。最終更新日:2026-10-13。
売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。