こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。

親が亡くなり、実家を売ろうと考えたとき、最初に出てくるのが「相続登記(名義の書き換え)」です。何の書類を、どこで集めればよいのか分からず、手が止まっていませんか。

先にお伝えします。相続登記の書類は、亡くなった方の戸籍などの「集める書類」と、遺産分割協議書などの「作る書類」に分かれます。どの書類が要るかは、名義の決め方(遺産分割・法定相続分・遺言)で変わります。

書類の一覧は、法務局が公開しています。この記事では、その一覧と法務局のご案内をもとに、次の順にご紹介します。

  • 遺産分割協議で決めたときの書類(図)
  • 法定相続分どおり・遺言があるときの違い
  • 戸籍集めの手間を減らす2つの方法
  • 書類を出すときの注意
  • 費用(登録免許税)の決まり方

相続登記が義務になったことと期限は、相続登記の義務化|期限は3年・実家を売る前ににまとめています。

📋 相続登記の必要書類は、「集める書類」と「作る書類」に分かれます

相続人の話し合い(遺産分割協議)で実家を受け継ぐ人を決めたときは、亡くなった方の戸籍や相続人の印鑑証明書などを集め、遺産分割協議書や登記申請書を作ります。図のように、誰の書類かで分けると集めやすくなります。

相続登記の書類(遺産分割協議で決めたとき)の図。集める書類1 亡くなった方の書類:出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍(本籍地の市区町村)、住民票の除票または戸籍の附票(登記簿の住所と本籍が違うとき)。集める書類2 法定相続人の書類:戸籍謄本(亡くなった日以降に発行)、印鑑証明書、固定資産課税明細書(申請する年度のもの)。集める書類3 新しく所有者になる方の住民票。作る書類:遺産分割協議書、登記申請書、委任状(代理人が申請するとき)、相続関係説明図(戸籍の原本を返してほしいとき)
遺産分割協議で決めたときの書類。このほかにも要る場合があります(法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」の「1 遺産分割協議の場合」をもとに当社作成)

一覧の「有効期限」の欄は、集める書類のどれも「なし」です。ただし、固定資産課税明細書は、申請する年度のものが必要です。

誰の書類書類入手先一覧の備考
亡くなった方戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍本籍地の市区町村出生から死亡まで、在籍していたすべての戸籍・除籍謄本が必要
亡くなった方住民票の除票 または 戸籍の附票住民票の除票は住所地、戸籍の附票は本籍地の市区町村登記簿の住所と、戸籍の本籍が違う場合に必要
法定相続人戸籍謄本(抄本)本籍地の市区町村亡くなった方の死亡日以降に発行されたもの
法定相続人印鑑証明書住所地の市区町村遺産分割協議書に押した印鑑のもの(法務局のご案内では、申請する相続人の分は添えなくてよいとされています)
法定相続人固定資産課税明細書毎年4月頃に市区町村から届く申請する年度のもの。見つからないときは、市区町村の固定資産税の課税証明書などで価格を確かめられます
新しく所有者になる方住民票住所地の市区町村―
法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」をもとに当社作成

作る書類は、遺産分割協議書と登記申請書です。代理人に申請を頼むときは委任状が、戸籍の原本を返してほしいときは相続関係説明図(家族のつながりを書いた図)が加わります。

気をつけたいのは、一覧の注意書きです。「上記以外にも必要な書類がある場合があります」とあり、法務局のご案内(登記手続ハンドブック)を見るよう書かれています。まずはこの一覧で、亡くなった方の戸籍から集め始めましょう。そのうえで、ご家族の事情に当てはまる書類がほかにないかを、ご案内で確かめてください。

出典:法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」、法務省「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」

🔀 法定相続分どおり・遺言があるときは、そろえる書類が変わります

法定相続分どおりに名義を移すときは、一覧に遺産分割協議書と印鑑証明書が載っていません。遺言があり、法定相続人が受け継ぐときは、遺言書が加わり、亡くなった方の戸籍は「死亡の事実の記載がある戸籍・除籍謄本」とされています。

法務局の一覧は、「1 遺産分割協議の場合」「2 法定相続分の相続の場合」「3 遺言書がある場合(法定相続人が相続する場合)」の3つに分かれています。違うところを並べると、次のとおりです。

遺産分割協議法定相続分どおり遺言(法定相続人が相続)
亡くなった方の戸籍出生から死亡まで出生から死亡まで死亡の記載があるもの
遺産分割協議書・印鑑証明書要る一覧にない一覧にない
遺言書――要る(自筆の遺言は下の注意)
申請する人―相続人のうち1名が、全員分を申請することもできる―
法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」の1〜3をもとに当社作成

遺言が自筆の場合、法務局に預けてあるときは「遺言書情報証明書」が、それ以外は家庭裁判所での検認が必要とされています。また、遺言の場合、配偶者や子以外の方(兄弟姉妹・孫など)が新しく所有者になるときは、法定相続人であることを確かめられる戸籍なども必要です。

なお、遺贈(相続人への遺贈を含みます)や、話し合いの途中で相続人が亡くなった場合(数次相続)の書類は、この一覧には書かれていません。ご家族の名義の決め方を先に確かめ、それに合った一覧を使いましょう。

出典:法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」(1〜3)

🏛️ 戸籍集めは、2つの方法で手間を減らせます

ご自分や親・子などの戸籍は、最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できるようになりました(広域交付)。実家が複数の法務局にまたがるときは、「法定相続情報一覧図の写し」で、戸籍の束を何度も出さずに済みます。

いちばん手間がかかるのは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍です。戸籍は、それぞれの戸籍ごとに本籍のある市区町村に請求するのが基本です。結婚や転籍で本籍が変わっていると、請求先がいくつにも分かれます。

手間を減らす2つの方法

戸籍の広域交付(令和6年3月1日から)

本籍地が遠くにあっても、お住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で、全国の戸籍をまとめて請求できます。請求できるのは、本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍です。窓口に本人が行く必要があり、郵送や代理人ではできません。顔写真付きの身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)を持って行きます。

法定相続情報証明制度(平成29年5月から)

戸籍の束と、家族関係を一覧にした図を法務局に出すと、登記官が確かめたうえで、認証文の付いた写しを無料で出してもらえます。不動産が複数の法務局の管轄にまたがるときも、この写しを戸籍の束の代わりに使えます。令和6年4月1日からは、写しに書かれた番号を申請書に書けば、写しの添付も省けるようになりました。

広域交付では、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍と、一部事項証明書・個人事項証明書は請求できません。法定相続情報の番号は、不動産登記以外の手続では使えません。

ただし、一覧図の写しを作るにも、まず戸籍の束を法務局に出す必要があります。戸籍集めそのものがなくなる制度ではありません。

まずは広域交付で戸籍をそろえ、不動産が複数の法務局にまたがるときは、法定相続情報の写しも考えましょう。手数料や請求のしかたは、市区町村のホームページや窓口でお確かめください。

出典:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」、法務局「『法定相続情報証明制度』について」

📮 書類を出すときは、原本・住民票・提出先に気をつけます

相続登記の書類は、原本を出すのが原則で、コピーでは受け付けてもらえません。返してほしい原本は、還付(返却)を頼めます。住民票はマイナンバーの記載がないものを取り、実家のある場所を管轄する法務局に出します。

出す前に確かめたいこと

原本:住民票の写しなども、証明書の原本を添えます。戸籍の原本は、相続関係説明図を一緒に出せば、登記の調査が終わったあとに返してもらえます
返してもらえないもの:登記のためだけに作った書類(委任状など)や印鑑証明書などは、原本を返してもらえない場合があります。出すときに法務局に確かめましょう
住民票:マイナンバー(個人番号)の記載がないものを取ります
提出先:実家(不動産)の所在地を管轄する法務局です。窓口に持って行くほか、郵送(封筒に「不動産登記申請書在中」と書いて書留)やオンラインでも申請できます
様式:令和8年10月5日以降の申請では、名義人になる方の国籍などを申し出ることになりました。申請書は、法務局の様式のページで新しいものを使いましょう

たとえば、出生から死亡までの戸籍は、何通にもなることがあります。相続関係説明図を一緒に出せば、調査が終わったあとに原本を返してもらえ、戸籍のコピーを作って出す必要もありません。

出す前に、原本か・マイナンバーの記載がないか・出す先の法務局はどこか、の3点を確かめましょう。申請書に書く「原因」の日付が、遺産分割協議がまとまった日ではなく亡くなった日であることなど、書き方の注意は法務局のご案内に載っています。福岡市内の法務局の窓口は、福岡市の相続不動産売却|区役所と法務局の期限でご紹介しています。

登記が終わると、法務局から「登記完了証」と「登記識別情報通知書」が届きます。どちらも再発行はできません。実家を売るときまで、ほかの相続の書類と一緒に、大切に保管しておきましょう。

出典:法務局「不動産登記の申請書様式について」、法務省「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」

💴 相続登記の費用(登録免許税)は、固定資産の「価格」の1,000分の4です

相続登記で納める登録免許税は、不動産の価額の1,000分の4です。この価額には、原則として、固定資産課税明細書の「価格」(評価額)を使います。土地は、価額が100万円以下なら、令和9年3月31日まで免税になる扱いがあります。

税率は登録免許税法で決まっていて、土地の売買のような軽い税率の特例は、相続の登記にはありません。

項目内容
税率相続による所有権の移転の登記は、不動産の価額の1,000分の4(土地も建物も)
価額固定資産課税明細書の「価格」または「評価額」。「固定資産税課税標準額」ではありません
明細書がないとき市区町村が出す固定資産税の課税証明書などで確かめられます
土地の免税令和9年3月31日までに、価額が100万円以下の土地の相続登記をする場合などは、登録免許税がかかりません(土地だけの扱いです)
国税庁 No.7191・登録免許税法 別表第一・租税特別措置法・法務省「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」をもとに当社作成

見落としやすいのは、「固定資産税の額」でも「課税標準額」でもなく、「価格」の欄を使うことです。免税に当たるかや、申請書への書き方は、法務局のページ「相続登記の登録免許税の免税措置について」とご案内で確かめましょう。

固定資産課税明細書が届いたら、捨てずに取っておき、「価格」の欄を確かめましょう。

名義の書き換えの見通しが立てば、実家をどう売るかを考える番です。売るまでの順番の全体は、実家の相続売却の流れ|売るまで5つの順番で整理しています。売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。

出典:国税庁 No.7191 登録免許税の税額表、法務省「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」

❓ よくあるご質問

Q. 相続登記は、自分でできますか

一概には言えません。法務局は、比較的単純な相続を例に、申請書の書き方を説明したご案内を出しています。一方で、法務局では、遺産の分け方や遺産分割協議書の作り方の相談には応じられない、とされています。専門家に相談したいときは、司法書士・弁護士に、とご案内に書かれています。

Q. 印鑑証明書は、3か月以内のものでないといけませんか

相続登記で遺産分割協議書に添える印鑑証明書は、法務局のご案内では「作成後3か月以内のものといった制約はありません」とされています。協議書に添えるのは、申請する相続人を除く、協議をした相続人の分です。ほかの手続に使うときの期限は、それぞれの窓口でお確かめください。

Q. 兄弟姉妹が相続人のときも、広域交付で戸籍は取れますか

法務省のページで、広域交付で請求できると挙げられているのは、本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍です。兄弟姉妹の戸籍は挙がっていません。兄弟姉妹の戸籍の取り方は、市区町村に聞いてみてください。

Q. 相続人の一人が、まとめて申請してもよいですか

法定相続分どおりに登記するときは、相続人のうち1名が全員分を申請できると、法務局の一覧に書かれています。ただし、その場合、申請しなかった相続人には「登記識別情報」は通知されません。

出典:法務省「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」、法務省(広域交付)、法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」

📝 この記事のまとめ

  • 相続登記の書類は、戸籍などの「集める書類」と、遺産分割協議書などの「作る書類」に分かれます
  • 名義の決め方(遺産分割・法定相続分・遺言)で、そろえる書類が変わります。一覧のほかにも要る場合があります
  • ご自分や親・子などの戸籍は広域交付で最寄りの窓口からまとめて請求でき、法定相続情報の写しで戸籍の束を何度も出さずに済みます
  • 原本を出すのが原則。住民票はマイナンバーなし。出す先は実家の所在地を管轄する法務局です
  • 登録免許税は、固定資産課税明細書の「価格」の1,000分の4。土地は令和9年3月31日まで、100万円以下なら免税の扱いがあります

相続登記は、親を見送ったあとの、慣れない書類の手続きです。一度にそろえようとせず、亡くなった方の戸籍から、順番に進めていきましょう。申請書の書き方は法務局のご案内か司法書士へ。実家を残すか、解体して売るかで迷われている方は、お気軽にご相談ください。

本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」、法務省「登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)」(令和8年4月)、法務局「不動産登記の申請書様式について」、法務省(戸籍の広域交付・法定相続情報証明制度)のページ、国税庁タックスアンサー No.7191 に基づく一般的な説明です(2026年10月に確認)。ご案内は令和8年10月5日からの様式の変更の前の版です。ご家族の事情によって要る書類は変わります。申請の前に、管轄の法務局か司法書士にご確認ください。最終更新日:2026-10-27。

売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。

💬 解体工事・不動産のご相談はお気軽に!

「解体工事って初めてで不安…」「費用はどれくらいかかるの?」「ご近所にご迷惑がかからないか心配💦」── そんなお悩みはありませんか?解体は一生に何度もあることではありません。分からないことがあって当然です。

ご相談・お見積りは完全無料。無理な営業はいたしませんので、どんな小さなことでも安心してお問い合わせください🙋‍♂️

▶︎ 無料相談・お問い合わせはこちら

お電話でも:092-609-9764(担当:藤木)

株式会社サンミライ開発
〒815-0075 福岡県福岡市南区長丘5丁目24−26−1F
TEL:092-609-9764(担当:藤木)
公式サイト:https://sanmirai.jp