こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。
親から受け継いだ実家を解体したいけれど、費用が気になる。補助金が使えるなら使いたい。そうお考えではありませんか。
先にお伝えします。福岡県・佐賀県で実家の解体に使える補助は、「耐震の補助の中の解体(除却)の枠」と「空き家・老朽危険家屋の解体の補助」の2種類が中心です。ただし、相続した空き家に使えるか、どの業者に頼めるか、いつ申し込むかは、市町ごとに違います。順番を間違えると、対象から外れることがあります。
この記事では、令和8年度(2026年度)の各市町の公式ページをもとに、次の順にご紹介します。
- ・実家の解体に使える補助、2つの種類(図)
- ・相続した空き家に使えるか(耐震の枠は市町で分かれます)
- ・空き家の解体の補助と、受付の期間
- ・申し込む前に確かめる3つ
- ・補助だけで決めない。売り方も並べて考える
🏚️ 実家の解体に使える補助は、大きく2種類です
実家の解体に使える補助は、「耐震の補助の中の解体の枠」と「空き家・老朽危険家屋の解体の補助」の2種類に分けて探すと、見落としが減ります。この2つは、市町の中で担当の課もページも違うからです。

1つめは、耐震の補助の中にある「除却(解体)」の枠です。福岡県は、市町村を通じて、木造の戸建て住宅の耐震改修などの費用の一部を補助しています。その中に、建替えなどに伴う除却費の補助があります。主な要件は、昭和56年5月以前に建てられた木造の戸建て住宅で、耐震診断の結果、倒壊の危険があると判断されたものです。建替えなどで住まいを確保したうえでの解体、などの要件もあります。
2つめは、空き家や老朽危険家屋の解体の補助です。古くなった空き家などを対象に、市町が独自に設けています。補助の割合は工事費の3分の1から5分の4までと幅があり、上限額も市町ごとに違います。
空き家の担当のページだけを見て「解体の補助はない」と思い込むと、耐震の担当の枠を見落とします。お住まいの市町では、空き家の担当と耐震の担当、両方のページを確かめてください。見つからないときも、「ない」とは限りません。窓口に聞いてみましょう。
出典:福岡県「木造戸建て住宅の性能向上改修等の補助」(2026年7月22日更新)。「補助の実施状況、補助対象要件、補助金額等は市町村により異なります」とされています(2026年9月23日確認)
🔍 相続した空き家に使えるかは、市町で分かれます
耐震の解体の枠は、相続した空き家に使える市町と、使えない市町に分かれます。もともと建替えなどに伴う解体を対象にした制度で、相続した空き家を対象に加えたかどうかが、市町ごとに違うからです。
| 市町 | 解体の枠の補助 | 相続した空き家 |
|---|---|---|
| 福岡市 | 工事費の23%・上限30万円 | 使える(相続から3年を経過する日の属する年の翌年3月までの解体) |
| 筑紫野市 | 解体費か耐震改修費の低い方の60%・上限60万円 | 使える(取得から3年以内) |
| 大野城市 | 解体費の45%・上限60万円(要綱は解体費と耐震改修費の低い方の45%) | 使える(相続から3年を経過する日の属する年の翌年1月末までに完了) |
| 飯塚市 | 23%・上限30万円 | 使える(相続から3年を経過する日の属する年の翌年1月末までに、市に実績報告書を出せるもの) |
| 那珂川市 | 23%・上限30万円 | 使える(相続の開始が令和5年1月1日以降) |
| 太宰府市・久留米市 | 23%・上限30万円 | 使える |
| 篠栗町・新宮町・志免町 | 23%・上限30万円 | 使える(志免町は令和8年度の受付を終了) |
| 春日市 | 23%(上限20万〜30万円) | 要綱の居住の要件との関係を、市にご確認ください |
| 北九州市・直方市・古賀市・須恵町・宇美町・粕屋町 | 23%(上限は市町による) | 使えない(申請の時点で住んでいる家が対象) |
| 福津市 | 23%・上限30万円 | 使えない(令和8年度も実施しているかは未確認) |
期限の数え方は少し分かりにくいので、例を挙げます。福岡市で、令和6年に相続した場合、相続から3年を経過する日は令和9年なので、期限は令和10年3月までです(当方の計算)。一方、北九州市は、申請の時点で住んでいる住宅の解体を対象にしていて、相続した空き家は対象外です。
耐震の枠は、昭和56年5月以前の木造で、耐震診断が前提です。久留米市のように、簡易な診断では補助を使えないとする市もあります。ご実家の建てた年と、相続した日を手元にそろえてから、窓口に聞くと話が早く進みます。
出典:福岡市「木造戸建住宅耐震建替費等補助事業」、北九州市の耐震改修等の補助(Q&A)ほか各市町の公式ページ・要綱(2026年9月23日確認)
🏠 空き家の解体の補助は、受付の期間を先に確かめます
空き家・老朽危険家屋の解体の補助は、受付の期間と業者の条件を先に確かめてください。受付の期間が決まっていて、令和8年度の受付がもう終わった市もあるからです。
| 市町 | 補助の割合・上限 | 令和8年度の受付・条件 |
|---|---|---|
| 久留米市 | 2分の1・上限65万円 | 4月21日〜令和9年1月29日。市内業者に発注予定で、契約・着工の前 |
| 宗像市 | 3分の1以内・上限60万円(空家等対策促進区域)/30万円(その他) | 5月11日〜令和9年1月29日。自分で行う解体は対象外 |
| 大牟田市 | 2分の1以内・上限60万円 | 「勧告」を受けた家屋などは対象外 |
| 飯塚市 | 2分の1以内・上限50万円 | 建替えが目的でないこと。市内業者 |
| 直方市 | 2分の1以内・上限50万円 | 受付は年度の1月末まで。市内の解体業者 |
| 北九州市 | 3分の1以内・上限30万円 | 原則、更地にする工事。市内業者 |
| 志免町 | 2分の1・上限60万円(道路に接していない家は120万円) | 4月6日〜12月25日。5戸程度 |
| 佐賀市 | 2分の1・上限60万円 | 令和8年度の受付は終了。市内業者 |
| 唐津市 | 2分の1・上限50万円 | 受付は9月30日まで(延長後)。市内の業者 |
| 鳥栖市 | 5分の4・上限50万円 | 受付は6月1日〜7月31日。市内事業者に発注 |
佐賀市は令和8年度の受付を終えたと案内していて、唐津市(9月30日まで)と鳥栖市(7月31日まで)も、掲載の受付期間を過ぎています。これらの市では、次の年度の受付を待つか、補助を使わずに進めるかを考える場面です。
佐賀県内のほかの市町は、県のポータルサイト「あき家をよき家に」に、解体の補助の窓口の一覧があります。基山町やみやき町のように、5分の4以内を補助する制度もあります(みやき町は、町が調べて認定した家屋などに限られます)。
補助は工事費の一部で、上限もあります。「補助で解体費がまかなえる」ではなく、「自己負担の一部が軽くなる」と考えておくと、見通しを誤りにくくなります。
出典:各市町の公式ページ・要綱(2026年9月23日確認)、佐賀県「あき家をよき家に」空き家の解体の補助の窓口
✅ 申し込む前に確かめる3つ
補助を使うなら、「相続した空き家に使えるか」「市内の業者か」「契約・着工の前か」の3つを、業者と契約する前に確かめてください。契約や着工のあとに分かっても、やり直しがきかないからです。
多くの制度で、申し込みと契約・着工の順番が決まっています。たとえば、福岡市は交付決定の通知のあとに契約する決まりです。春日市は「申請は、契約前のみ可能です。」、大野城市は「補助金交付決定日より前に着手された工事は、対象外」、古賀市は「交付決定前に請負契約された場合は補助対象となりません」としています。
補助を使うときの、ひとつの進め方
市町の窓口で、使える補助を確かめる
空き家の担当と耐震の担当の両方に、相続した空き家に使えるか、受付の期間、業者の条件を聞きます。
診断・判定など、市町の手順を進める
耐震の枠は耐震診断が前提です。空き家の補助では、市町が家の傷み具合を判定する制度もあります。
交付の決定を待つ
決定の通知が届くまで、業者との契約や着工はしません。
業者と契約し、解体する
市内の業者に限る制度では、その条件に合う業者に頼みます。
終わったら報告して、補助を受け取る
完了の報告の期限がある制度もあります。
手順や書類は市町ごとに違います。お住まいの市町の窓口でご確認ください。
業者の条件も、制度ごとに違います。北九州市・直方市・久留米市・佐賀市・唐津市・鳥栖市などは、市内の業者に頼むことを条件にしています(飯塚市は空き家の補助で条件にしています)。見積りを頼む前に、確かめておきましょう。解体の手続き全体の順番は、実家の解体の手続き|届出・石綿・滅失登記の順番に、業者の選び方は、解体業者の選び方にまとめています。
⚖️ 実家じまいの補助金だけで決めず、売り方も並べます
実家じまいでは、補助を使って解体するかどうかを、売り方の見通しと並べて決めると、迷いにくくなります。補助には上限があり、建物があるまま売る道や、税の特例もあるからです。
たとえば、建物を残したまま売るか、解体して更地で売るかで、かかる費用と手間が変わります。相続した空き家を売るときは、国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」で、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます(2024年1月1日以後の売却で、相続人が3人以上のときは2,000万円まで)。要件がいくつもあるので、使えるかどうかは税理士か税務署にご確認ください。
決める前に、並べておきたいこと
お金の段取り全体は、実家じまいのお金がないときにもあります。
残すか解体するかで迷われたら、両方の見通しを並べて比べるのが近道です。解体の見積りと売却の査定を、同時にお出しできます。売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。
補助が使えるか、使えないかが分かれば、次に選ぶ道もはっきりします。
出典:国税庁 タックスアンサー No.3306(2026年9月19日確認)
❓ よくあるご質問
Q. 昭和56年6月以降に建てた家でも、解体の補助は使えますか
耐震の解体の枠は、昭和56年5月以前の木造が前提なので、使えません。空き家の解体の補助は、市町によります。久留米市の空き家の補助は建築年の要件がなく、飯塚市は築年数を判定の項目に入れていません。お住まいの市町でご確認ください。
Q. ブロック塀だけを撤去するときも、補助はありますか
多くの市町にあります。福岡県内で確かめた15の市町のうち11の市町が、費用の3分の2を補助しています(上限は15万〜30万円)。ブロック塀の撤去は、ブロック塀の解体のページもご覧ください。
Q. 家族で解体すれば、補助は受けられますか
宗像市の空き家の補助は、自分で行う解体工事を対象外にしています。ほかの市町も、業者の条件を定めていることが多いので、窓口でご確認ください。
出典:各市町の公式ページ・要綱(2026年9月23日確認)
📝 この記事のまとめ
- ・福岡・佐賀で実家の解体に使える補助は、「耐震の補助の中の解体の枠」と「空き家・老朽危険家屋の解体の補助」の2種類が中心です
- ・耐震の枠は、相続した空き家に使える市町(福岡市・筑紫野市・大野城市など)と、使えない市町(北九州市・直方市など)に分かれます
- ・空き家の解体の補助は、受付の期間と市内の業者の条件を先に確かめます。令和8年度の受付が終わった市もあります
- ・業者と契約する前に、補助を申し込みます。交付の決定より前の契約・着工は、対象外になる制度があります
- ・補助だけで決めず、建物があるまま売る道や税の特例も並べて、実家じまいの進め方を決めましょう
補助金の制度は、市町ごとに名前も条件も違い、探すだけでもひと苦労です。ご実家のある市町と、建てた年、相続した日が分かれば、確かめる先も絞れます。解体するか、そのまま売るかの見通しについては、お気軽にご相談ください。
本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、福岡県・各市町の公式ページと要綱(令和8年度・2026年9月23日確認)、国税庁 タックスアンサー No.3306 に基づく一般的な説明です。補助の受付状況・予算・要件は年度の途中でも変わります。申し込みの前に、各市町の窓口でご確認ください。税の判断は税理士・税務署にご確認ください。最終更新日:2026-10-20。
売却のご相談や査定については、不動産事業のページもあわせてご覧ください。