こんにちは。株式会社サンミライ開発、不動産事業部の藤木です。
実家じまいで、いちばん手間がかかるのが家財の片付けです。「解体をお願いするなら、中の物もそのまま一緒に片付けてもらえるのでは」と考える方もいらっしゃると思います。
結論から申し上げます。環境省の通知では、家に残った物のうち廃棄物になる物(残置物)は、建物の所有者等が、解体の前に適正に処理するものとされています。一方で、解体に伴って出る廃棄物(解体物)は、解体工事を直接請け負った元請業者が処理の責任を負うもの、と分けられています。
誰が何をするのかが分かれば、片付けの段取りも立てやすくなります。順に見ていきます。
📋 家に残った物と、解体で出る物は別の扱いです
| 区分 | どんな物か | 処理の責任 |
|---|---|---|
| 残置物 | 解体のときに、建物の所有者等が残した廃棄物 | 建物の所有者等。解体の前に適正に処理する必要がある |
| 解体物 | 建物の解体に伴って出る廃棄物 | 解体工事の発注者から直接請け負った元請業者 |
この区分は、環境省の通知(平成30年6月22日)に書かれています。通知は、環境省から都道府県・政令市に向けて出された、地方自治法にもとづく「技術的な助言」です。通知の中では、解体物は木くず・がれき類などが多く、一般家庭が出した残置物は、それとは別の区分(一般廃棄物)になることも説明されています。
通知には「家財」という言葉は出てきません。また、まだ使える物や売れる物をどう扱うかも書かれていません。ご家族にとって大切な物、次の方に使っていただける物は、片付けを始める前に分けておくと安心です。
🧺 片付けを人に頼むときに確かめたいこと
家財の量が多いと、回収を業者に頼みたくなるものです。ここで知っておきたいのが、頼み先に必要な許可です。
環境省の通知では、家に残った物が一般廃棄物に当たる場合、その片付けを請け負う人は、産業廃棄物処理業の許可を持っているだけでは足りず、市町村からの委託か、一般廃棄物処理業の許可を受けていなければならないとされています。
福岡市も、「無許可の回収業者」を利用しないでくださいというページで、いつものごみ出しや市の粗大ごみ受付センターを使わずに第三者に回収を頼む場合は、福岡市の「一般廃棄物収集運搬業許可業者」に頼むよう呼びかけています。産業廃棄物収集運搬業の許可番号だけ、古物商の許可番号だけでは、家庭のごみ(不用品)の回収はできない、とも書かれています。
どの業者が許可業者かは、このページ自体には載っておらず、協同組合福岡市事業用環境協会のホームページを見るよう案内されています。問い合わせ先は、福岡市環境局 収集管理課(092-711-4346)です。福岡市以外の市町村の扱いは、このページからは分かりません。実家が福岡市以外にある方は、実家のある市町村の窓口で、出し方と頼み先の確かめ方を聞いてください。
🏠 解体の現場では、家財が残っていないかを確かめます
建物の解体のうち、解体する部分の床面積の合計が80㎡以上の工事は、建設リサイクル法の対象になります(都道府県の条例で別の基準があることもあります)。この工事を請け負う業者(自分で解体する場合はその人)は、法律の決まり(施行規則)で、工事の前に残っている物品の有無を調べ、搬出されたかを確認することになっています。
国土交通省の『建設リサイクル法 質疑応答集(案)』では、家具や家電製品は、工事の発注者(解体を頼む人)が排出者として事前に片付けておくべきもの、という考え方が示されています。残っている場合は、発注者に事前に撤去するよう依頼しなければならない、とも書かれています(この依頼の部分は質疑応答集の記載で、施行規則の本文にはありません)。
福岡市の「建設リサイクル法の概要」でも、分別解体の手順の中で、工事に取りかかる前に、残存物品等の一般廃棄物と産業廃棄物の選別、特に家電リサイクル法の対象物等について、発注者が事前に適正に処理・搬出を行ったかを確認する、と説明されています。
80㎡に満たない解体に同じ手順が求められるかは、これらの資料には書かれていません。
🔁 例外と、よくある勘違い
- 「解体業者は家財を一切扱えない」わけではありません。通知が言っているのは、一般廃棄物に当たる物を請け負うには、市町村の委託か一般廃棄物処理業の許可が要る、という条件です
- 「解体業者に家財の片付けの責任がある」わけでもありません。家に残った物の責任は、建物の所有者等にあります
- 事業者が出した残置物は、扱いが変わることがあります。種類と性状によって区分が変わります
- 所有者等の所在が分からない場合は、必要に応じて市町村が処理業者に委託するなどして、適正な処理を確保する、と通知に書かれています
📅 解体の日から逆算すると
家財の片付けの段取り
残す物・使ってもらう物を家族で分ける
形見や書類、次の方に使っていただける物を先に分けます。相続人が何人もいるときは、ほかの方にも声をかけてから進めます。
実家のある市町村で、出し方と頼み先を確かめる
いつものごみ出し、粗大ごみの受付、許可業者への依頼のどれを使うかを決めます。福岡市で第三者に回収を頼むなら、市の一般廃棄物収集運搬業許可業者です。
解体の見積りのときに、家財が残るかどうかを伝える
80㎡以上の解体では、業者が工事の前に家財が残っていないかを確かめます。いつまでに片付けが終わりそうかを伝えておくと、着工の日を決めやすくなります。建物の床面積も、このときに業者に確かめておきます。
着工の前に、搬出を終える
家電リサイクル法の対象になる物も含めて、着工の前に片付けておきます。対象の品目や出し方は、市町村の案内で確かめます。
👣 お一人でもできること
片付けの前に書き出しておくこと
❓ よくあるご質問
Q. 解体をお願いする業者に、家財もまとめて頼めますか
環境省の通知は、解体業者だから家財を扱える・扱えない、とは一般論では書いていません。一般廃棄物に当たる家財を請け負うには、市町村の委託か一般廃棄物処理業の許可が要る、という条件があるだけです。頼む前に、その業者がどの許可を持っているかを確かめてください。
Q. 実家を売るとき、片付けの費用は売主と買主のどちらが持ちますか
環境省の通知が述べているのは、廃棄物処理法の上での片付けの責任で、売買で誰が費用を持つかは書かれていません。家財を残したまま引き渡すか、片付けてから引き渡すかは、売買の条件として決めることになります。引き渡し方の違いは、現況渡しと更地渡しの違いでお伝えしています。
Q. 家電も、ほかの家財と同じように出せますか
福岡市の案内では、残存物品の中でも特に家電リサイクル法の対象物等について、発注者が事前に適正に処理・搬出を行ったかを確認する、とされています。出し方は品目ごとに違うことがあるので、市町村の案内をご覧ください。
📝 この記事のまとめ
- 環境省の通知では、家に残った物のうち廃棄物になる物(残置物)は建物の所有者等が解体の前に適正に処理するもの、解体で出る廃棄物(解体物)は元請業者が処理の責任を負うもの、と分けています
- 一般家庭から出た残置物は一般廃棄物です。片付けを請け負うには、産業廃棄物処理業の許可だけでは足りず、市町村の委託か一般廃棄物処理業の許可が要ります
- 福岡市は、家庭のごみの回収は市の一般廃棄物収集運搬業許可業者に頼むよう呼びかけています。ほかの市町村は窓口で確かめます
- 80㎡以上の解体では、工事の前に残っている物品の有無の調査と搬出の確認が行われます
- 売買で片付けの費用を誰が持つかは、通知には書かれていません。引き渡しの条件として決めます
家財の片付けは、ご家族の思い出と向き合う時間でもあります。長く暮らしを支えてくれた物に感謝しながら、次に使っていただける物は次の方へ。解体の段取りとあわせて、私たちも一緒に考えます。
本記事は2026年度の制度に基づく解説です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は、2026年9月時点の環境省の通知(平成30年6月22日)・国土交通省の『建設リサイクル法 質疑応答集(案)』・福岡市の案内に基づく一般的な説明です。環境省の通知は平成30年に出されたもので、2026年9月に内容を確認しています。家財の出し方や許可業者は、実家のある市町村の窓口にご確認ください。最終更新日:2026-09-28。
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