福岡県糟屋郡志免町で、木造2階建て住宅の解体を担った施工事例です。すぐそばに学校があり、田んぼに隣り合う現場。建物の解体だけでなく、お家の中に残された家財の運び出しと、お庭の木々の伐採まで、まとめてお任せいただきました。役割を終えたお住まいと、敷地に残る古い井戸に感謝を込めて、まっさらな更地へ整えるまでの記録です。
🏠 お預かりしたお住まい|瓦屋根に、ベランダのある木造2階建て

瓦屋根に、ベランダのあるどっしりとした木造2階建て。住宅街に長く佇んできた、味わいのあるお住まいです。建物のあちこちに、ここで重ねられてきた暮らしの時間が残っていました。「もの・場所・家には役割がある」——役割を終えたお住まいに敬意をはらいながら、次の一歩へと進めていきます。
今回お預かりしたのは、建物の解体だけではありません。残置物(お家に残された家財)の撤去と、長く育ってきた庭木の伐採もあわせてご依頼いただきました。片付けから伐採、解体、整地までを一つの窓口でお引き受けできると、お客様が業者ごとに打ち合わせを重ねる手間がなくなります。
🙏 着工の前に|敷地の古い井戸へ、『水神上げ』を

この敷地には、昔ながらの井戸が残っていました。蛇口をひねれば水が出る今では見る機会も減りましたが、この井戸もまた、長くこの土地の暮らしを支えてきたはずです。だからこそ本格的な解体に入る前に、神主様にお越しいただき、お住まいのなかに祭壇を設えて『水神上げ(すいじんあげ)』のお祓いを執り行いました。
水神上げとは、井戸に宿るとされる水の神様に「長いあいだ、ありがとうございました」とご挨拶をして、お引き取りいただくための神事です。屋内でのお祓いのあとは、実際に井戸のある場所へ。長年この土地に水を恵んでくれた井戸へ向かって、感謝とお引き取りのお祈りを捧げました。役割に感謝を伝えてから、次へ進む。それが私たちの解体の始め方です。
🏫 この現場ならでは|学校と田んぼに、囲まれて
この現場は、すぐ近くに学校があり、まわりには田んぼが広がる環境にありました。同じ「近隣配慮」でも、現場によって気を配るポイントは変わります。今回、私たちが特に徹底したのは次のことでした。
- 登下校の時間帯:子どもたちが行き交う時間には、工事車両の出入りに一層気を配りました
- お隣の田んぼへの配慮:影響が出ないよう、散水と清掃をいつも以上にこまめに行いました
- 事前のご挨拶:着工の前に、近隣の皆様お一人おひとりへご挨拶にうかがいました
- 養生シートと散水:現場をしっかり囲い、粉じんが外へ広がらないようにしました
- 毎日の清掃:道路や現場まわりを、毎日欠かさず掃き清めました
特別なことは、ひとつもありません。当たり前のことを、毎日きちんと積み重ねる。それが、地域の皆様への何よりのご配慮だと考えています。
🔨 私たちの段取り|壊す前に、分ける

解体というと、いきなり重機で建物を崩していく光景を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど実際は、まず内装からです。和室の壁や建具を、素材ごとに分けながら手作業で取り外していきます。窓の外には田園風景が広がっていて、この土地の穏やかな時間の流れを感じる現場でした。

内装の分別が進んだら、次は屋根です。瓦を一枚ずつ下ろし、建物のまわりには足場と養生シートをしっかりと組みました。ここまで整えて、ようやく本格的な解体の準備が整います。遠回りに見えるかもしれませんが、この順番こそが、粉じんを抑え、リサイクルできる素材をきちんと次へ回すための確かな道です。

準備が整い、いよいよ重機の出番です。オペレーターと手元の作業員が声を掛け合いながら、解体を進めていきます。建物の断面からは、長年この家を支えてきた梁や筋交いが姿を現しました。つかみ機で木材だけを選り分けて、素材ごとに分別しながら運び出していきます。
🌱 基礎から整地まで|地中に残りものがないか、確認しながら

上物の解体が終わると、次は地面に残る基礎や浴室のタイルをていねいに取り除いていきます。地中に残りものがないか確認しながら進める、大事な工程です。最後は仕上げの整地。重機で地面を平らに均し、次の役割を迎える準備を整えていきます。
✨ 完工|境界を明示して、次の物語へ


更地のお引き渡しにあたって、敷地の境界にはトラロープを張り、木杭を打ってわかりやすく明示しました。「どこからどこまでがこの土地なのか」が一目でわかることは、次にこの土地に関わる方への大切な心配りです。工事の最後の最後まで、ていねいに仕上げることを心がけています。
長いあいだ、この土地でご家族の暮らしを見守ってきたお住まいと、暮らしを支えてきた井戸。その役割に心から感謝するとともに、まっさらになったこの土地が、これからどんな新しい役割を担っていくのか——次の物語が始まるのを、静かに楽しみにしています😊
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