実家の解体に使える補助金まとめ【福岡・佐賀 2026年版】

「親から相続した実家、住む予定はないけれど、解体には費用がかかる」 — 私たちサンミライ開発には、相続のタイミングで増えるこうしたご相談が、現場の感覚として相続発生月の前後で集まってくる傾向があります。
意外と知られていないのですが、福岡県・佐賀県の主要な市町には、実家解体の費用を一部補助する制度があります。さらに相続したご実家であれば、補助金の数倍の経済効果が見込める「3,000 万円特別控除」という別ルートも選択肢に入ります。
本記事は、私たちが現場で日々やり取りしている自治体の制度と税制特例を、藤木が実務目線でまとめたものです。特に「申請の落とし穴」のセクションは、ここを踏み外すと補助金の交付を受けられなくなるため、必ず通してお読みください。

目次

なぜ実家の解体に補助金が出るのか — 制度の背景

国は 2023 年と 2024 年に、空き家対策の法改正を立て続けに行いました。
2023 年 12 月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」改正では、新たに「管理不全空家」(倒壊等の保安上の危険まで至らないが、適切な管理がなされていない空き家として市町村が指定できる区分)が設けられ、勧告を受けると住宅用地特例(住宅敷地の固定資産税が本来額の 1/6 に減額される制度)が解除される可能性が出てきました。固定資産税が最大 6 倍になる計算で、「とりあえず放置」が経済的に成り立たなくなりつつあります。
さらに 2024 年 4 月からは 相続登記が義務化。不動産を相続した日(取得を知った日)から 3 年以内に登記しないと、10 万円以下の過料の対象です。過去に相続が発生していて未登記の物件も対象になります。
平たく言えば、「実家を放置するコスト」が 2026 年現在、急に上がった。これが解体補助制度に注目が集まっている背景です。

福岡県内で実家解体に使える補助金

福岡県は市町ごとに制度が異なります。代表的なものを順に見ていきます。
※福岡市以外の県内 10 市の詳細比較は、別記事「福岡県の解体補助金まとめ【福岡市以外・2026年版】」で整理しています。福岡市単独の事情は「【2026年版】福岡市の解体補助金まとめ|限定的な理由と代替策」をどうぞ。

北九州市 老朽空き家等除却促進事業

福岡県内の解体補助金として一番ベーシックなのが、北九州市の制度です。1 棟あたりの上限額は 30 万円、補助率は除却費用の 3 分の 1 以内。
対象は昭和 56 年 5 月以前に建築された木造などで、市場流通が困難で一定の危険度が認められる空き家。判定依頼を出してから補助金交付申請に進む二段構えの制度で、2026 年度の判定依頼受付は 4 月 20 日(月)から 12 月 21 日(月)までです。
詳細は北九州市公式ページでご確認ください。

福岡市は「実家解体専用の補助金」がない

意外に思われるかもしれませんが、福岡市には「老朽家屋を一律で解体する」目的の補助金は存在しません。福岡市は人口が増え続ける都市部のため、行政施策はリノベーション活用を促す方向に重心があり、純粋な解体補助は限定的なのが現状です。
該当しうるのは、福岡県が市町村を通じて運用するがけ地近接等危険住宅移転事業(1 戸あたり上限 97.5 万円・福岡市含む県内 14 市町村が運用)など、限定された制度のみです。
福岡市の解体・空き家補助の全体像と代替策(3,000 万円特別控除を含む)は、別記事「【2026年版】福岡市の解体補助金まとめ|限定的な理由と代替策」で深く解説しています。

県内その他自治体 — 飯塚市・直方市・宗像市など

県内では 飯塚市直方市(上限 50 万円・昭和 56 年 5 月 31 日以前竣工の木造または軽量鉄骨造で評点 100 点以上)、宗像市(空家等対策促進区域で上限 60 万円・その他区域で上限 30 万円・補助率 1/3 以内)など、独自制度を持つ自治体が多くあります。
大野城市・春日市・那珂川市・福津市・新宮町など、お住まいの市町でも年度によって制度の有無や条件が変わります。「お住まいの市町村名 + 老朽家屋 除却 補助」で検索するのが、最新情報にたどり着く一番の近道です。

佐賀県内で実家解体に使える補助金

佐賀県は 県のポータル「あき家をよき家に」によると、県内 20 市町で空き家の取り壊しに対する補助制度を運用しています。主要 3 市の解体補助金を見ていきます。

佐賀市 危険空き家等解体助成金

佐賀市の制度は、福岡・佐賀の主要市の中で最も手厚い水準です。上限 60 万円、補助率は解体費用の 2 分の 1。
対象は市内に 1 年以上無人で危険な状態にある空き家。所有者または相続人で市税の滞納がない方が申請でき、共有名義の場合は所有者全員の同意が必要です。
2026 年度の受付期間は 令和 8 年 5 月 1 日(金)から 6 月 30 日(火)。先着順ではないとアナウンスされています。佐賀市公式ページに詳細があります。

唐津市 老朽危険空き家等除却促進事業

上限 50 万円、補助率は除却費の 2 分の 1。対象は唐津市内の戸建住宅(木造または一部軽量鉄骨造)で、市の危険度判定基準を満たすものに限られます。
2026 年度の受付期間は 令和 8 年 4 月 1 日(水)から 6 月 30 日(火)。共有の場合は所有者全員の同意、過去にこの事業の補助を受けていないこと等が条件です。唐津市公式ページに詳細があります。

鳥栖市 不良住宅空家等除却費補助金

上限 50 万円。「跡地の有効活用や移住・定住等を促進する」という制度趣旨が打ち出されており、解体後の土地活用を見据えた制度設計になっています。
2026 年度の受付期間は 令和 8 年 6 月 1 日(月)から 7 月 31 日(金)と、他市より遅めの開始です。鳥栖市公式ページから要綱 PDF をご確認ください。

自治体制度名上限額補助率2026 年度受付
北九州市老朽空き家等除却促進事業30 万円1/3 以内4/20 〜 12/21
佐賀市危険空き家等解体助成金60 万円1/25/1 〜 6/30
唐津市老朽危険空き家等除却促進事業50 万円1/24/1 〜 6/30
鳥栖市不良住宅空家等除却費補助金50 万円要綱参照6/1 〜 7/31
福岡・佐賀の主要 4 市の解体補助金(2026 年度版)/私たちサンミライ開発は福岡県・佐賀県全域でご相談に対応しています。最新情報は各自治体公式サイトをご確認ください。

★補助金より大きい経済効果 — 3,000 万円特別控除

ここからは本記事で最もお伝えしたいポイントです。実は、相続したご実家を売却する場合、譲渡所得から 3,000 万円を控除できる特別な制度があります。補助金 30 万円〜60 万円と比べて、経済効果が桁違いに大きい場合があります。

被相続人居住用空き家の譲渡所得 3,000 万円特別控除

正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」。要件を満たせば、相続したご実家を売却した時の譲渡所得から最大 3,000 万円を差し引ける制度です(出典: 国税庁No.3306)。
【要件チェックリスト】次の 5 つのすべてを満たす必要があります。

  1. 1981 年(昭和 56 年)5 月 31 日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準)
  2. 戸建てであり、マンション等の区分所有でないこと
  3. 被相続人が亡くなる直前まで一人暮らし(または老人ホーム入所等の例外要件を満たす)であったこと
  4. 相続から譲渡時まで、賃貸・事業用にも自己使用にも一切利用していないこと
  5. 相続の開始があった日(被相続人の死亡日)から 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日までに売却すること(具体例:相続の開始があった日が 2026 年 3 月の場合、売却期限は 2029 年 12 月 31 日まで)

要件の判定や控除額の試算は専門的な部分もあるため、ご検討の方はお早めに税理士にご相談されることをおすすめします。判定だけの簡易相談は数万円程度から対応している事務所もあります。

さらに令和 6 年度の改正で、譲渡の日の属する年の翌年 2 月 15 日までに買主が耐震改修または除却の工事を行えば適用可能になりました(拡充)。改正前は「相続人が解体して更地にしてから売る」ケースが中心でしたが、改正後は「家屋付きのまま先に売却して、買主側で翌年 2 月 15 日までに耐震改修または解体してもらう」ケースもカバーされます。売却の柔軟性が大きく広がった改正です。

なぜ「補助金」より「特別控除」のほうが大きいのか

数字で考えてみます。相続不動産は基本的に長期譲渡となり、所得税・住民税の合算税率は 約 20.315%(所得税 15% + 住民税 5% + 復興特別所得税 0.315%)です。
例えば、売却収入 3,500 万円・取得費等 500 万円の場合、譲渡所得は 3,000 万円。3,000 万円特別控除を適用できれば課税対象がほぼゼロになり、控除がない場合に課されたはずの約 600 万円相当の税負担が軽減される計算です。
もちろん、売却額・取得費・諸経費によって試算は変わります。北九州市の補助金 30 万円や佐賀市の 60 万円と比較すると経済効果が桁違いに大きい一方、要件を 1 つでも外すと控除は受けられません。正確な試算は必ず税理士にご確認ください。

マイホームの建替え・解体後売却にも 3,000 万円控除

ご自身が住んでいた住宅(マイホーム)を解体した後、その敷地を 1 年以内に売却する場合も、別の 3,000 万円特別控除(居住用財産譲渡の 3,000 万円控除)が使える場合があります。建替えではなく売却を選ぶ場合の制度です(出典: 国税庁No.3320)。

申請の落とし穴 —「契約タイミング」で全部が決まる

補助金の申請プロセスは複雑に見えますが、覚えていただきたい鉄則は一点だけです。

市の交付決定通知が届く前に解体工事の契約・着工をすると、補助金の交付を受けられなくなります。

「補助金が使えると聞いて、すぐに業者と契約して工事を始めてもらったんです。そのあと市役所に行ったら『もう対象外です』と言われて…」(県外在住の相続人の方より)
このようなご相談を、私たちは何度も伺ってきました。一度契約してしまうと、後から行政のチェックを通すのは難しいのです。
このケースから言えるのは、「実家を解体しようかな」と迷い始めた段階で、まず市の事前調査だけを申し込むのが正解、ということです。事前調査自体は無料ですし、対象になりそうかが先に分かれば、業者選びにも余裕を持てます。

  1. 事前調査申請 — 市に空き家の事前調査を依頼する。
  2. 市の現地調査・危険度判定 — 補助対象になるかが審査される。
  3. 補助対象の通知 — 対象判定の結果を受領する。
  4. 補助金交付申請 — 正式な申請書類を提出する。
  5. ★ 交付決定通知の受領 — 運命の分かれ道。これより前に着工すると補助対象外になります。
  6. 解体工事の着工 — 補助対象の業者で実施する。
  7. 完了報告 — 工事完了後に書類を提出する。
  8. 補助金交付請求 → 振込 — 最後の請求手続きで振込が行われる。

ステップ 5「交付決定通知の受領」が、文字通り運命の分かれ道です。これより前に解体に関する契約や着工を始めない — これだけ覚えていただければ、補助金活用の半分は終わったようなものです。

よくある質問

Q1. 補助金は誰でも対象になりますか?

A. 補助金には予算枠と対象条件(築年数・危険度・申請者要件など)があり、自治体の審査を経て交付決定されます。「条件を満たせば申請できる」というのが正しい理解です。築年数を見ると、昭和 56 年 5 月以前(旧耐震基準)の建物を対象とする自治体が多く、それ以降の建物は基本的に対象外と考えてください。

Q2. 国の解体補助金はありますか?

A. 国が全国一律で実家解体を補助する制度は基本的にありません。空家等対策特別措置法の枠組みに基づき、各市町村が独自の解体補助制度を運用しているのが現状です。お住まいの市町の公式サイトで最新情報をご確認ください。

Q3. 解体費用の全額が補助されますか?

A. いいえ。多くの制度で補助率は 2 分の 1 から 3 分の 1、上限額が 30 万 〜 60 万円程度に設定されています。残額は所有者負担となります。「補助金で解体費用がゼロになる」ではなく「自己負担を 数十万円分削れる」と捉えるのが現実的です。
その代わり、相続実家であれば前述の3,000 万円特別控除で売却時の税負担を大きく軽減できる可能性があります。補助金と税制特例を組み合わせて考えるのがおすすめです。

Q4. 解体後の土地はどうしたらいいですか?

A. これは私たちのような解体 × 不動産業者がよくいただくご質問です。選択肢は基本的に「売却」「賃貸(月極駐車場含む)」「保有して更地のまま」の 3 つで、立地と税負担で判断が変わります。
注意点として、解体後の更地は 住宅用地特例(1/6 減額)が外れて固定資産税が上がる ため、解体後すぐに売却に動くか、賃貸用途を決めておくのが得策です。

Q5. 解体業者選びで大事なことは?

A. 補助金制度では「市内に営業所を持つ業者」など解体業者の指定がある場合があります。また、解体後の土地活用(売却・賃貸・建て替え)まで視野に入れるなら、解体と不動産を一気通貫で扱える事業者を選ぶと、書類手続きや日程調整が大きく楽になります。さらに、補助金の申請順序に詳しい業者であること、近隣の方への養生・散水・こまめな清掃の配慮が行き届く業者であることも、長く後悔しない選択につながります。役割を終えたご実家を、次のオーナー様や新しい暮らしへ気持ちよく受け渡すための業者選びです。

Q6. 補助金と 3,000 万円特別控除は併用できますか?

A. 制度の趣旨が異なるため、要件を満たせば原則として併用可能です。補助金は「解体費用の一部を自治体が補填」、3,000 万円特別控除は「売却時の譲渡所得に対する国税の優遇」で、それぞれ独立した制度です。ただし令和 6 年度の改正で、相続実家の特別控除は譲渡後 1 年以内の解体・改修でも適用可能になっており、ご自身が解体するか買主側に解体してもらうかで補助金の使い勝手が変わります。両制度の最適な組み合わせは個別事情で異なるため、解体業者・税理士・市の担当課を含めて早めに相談されることをおすすめします。

Q7. 県外在住で現地に行けないのですが、申請できますか?

A. 多くの市町では委任状による代理申請が可能です。必要書類の郵送で進められる工程もあります。ただし、危険度判定の現地調査や境界確認など現地での立会いが必要な工程もありますので、解体業者に相談しながら、現地対応を業者側で巻き取れる範囲を確認するのが現実的です。共有名義の場合は所有者全員の同意書が必要な自治体が多い点もご注意ください。

Q8. 申請から振込まで、実際にどのくらい時間がかかりますか?

A. 自治体・年度の予算状況・工事規模で変動しますが、目安としては事前調査から交付決定までで 1 〜 2 ヶ月、工事完了後の補助金交付請求から振込までで 1 ヶ月程度のケースが多いです。総じて申請開始から振込完了まで半年前後を見ておくと現実的な資金計画が立てやすくなります。具体的な目安期間は各自治体の公式情報や担当窓口でご確認ください。

まとめ —「迷ったらまず事前調査」が鉄則

ここまでをまとめます。

  1. 福岡・佐賀の解体補助金は、北九州市・佐賀市・唐津市・鳥栖市の主要 4 市が中心(上限 30 〜 60 万円・補助率 1/3 〜 1/2)。
  2. 福岡市は「解体一発で使える補助金」が限定的。福岡市単独の解説では、3,000 万円特別控除など代替策を整理しています。
  3. 福岡市以外の県内 10 市の比較はこちら。お住まいのエリアに合わせてお選びください。
  4. 相続実家なら 3,000 万円特別控除で、補助金の数倍の経済効果が見込める可能性があります。税理士へのご相談を早めに。
  5. 最大の落とし穴は 「交付決定前の着工」。順序を守ること、これに尽きます。
  6. 制度・金額・条件は毎年度変わるため、最新情報は必ず各自治体公式サイトでご確認ください。

私たち株式会社サンミライ開発は、福岡県・佐賀県全域解体工事と不動産売却・建て替え提案までをワンストップで承っています。
「実家、どうしたらいいか分からない」という段階のご相談こそ、お気軽にお寄せください。事前調査の進め方から、税制特例の活用、解体後の土地活用まで、税理士と連携しながらトータルでお手伝いできます。

【執筆者】株式会社サンミライ開発 不動産事業部 部長 藤木 祐真。福岡県・佐賀県全域で解体工事と不動産売却を一気通貫で承る業者として、相続不動産・空き家のご相談を年間多数お受けしています。

最終更新日: 2026年5月11日 / 本記事は 2026 年度の制度に基づく解説です。最新情報は各自治体公式サイトおよび国税庁公式サイトでご確認ください。

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